全国人民代表大会代表で、河南農業大学学長の張百良氏は農民の収入増加の問題に非常に関心を寄せており、春節(旧正月)の長い休暇がまだ終わらないうちに、河南省東部の農村に入って農民の収入増加の問題について調査・研究を行ってきたが、氏は次のように語った。
農民がまずまずの生活レベルに到達するうえでカギとなることは収入の増加である。農村の経済を大いに発展させ、平等な公民権を農民に与え、農村の社会保障メカニズムを逐次健全にし、農民の財布がふくれ上がってこそはじめてまずまずの生活レベルという根本的な道に到達することができるのである。
農民の一人当たり純収入は農村のまずまずの生活レベルの総合指標システムの中のカギとなる指標であり、それは物質面の生活、精神面の生活とその他の指標がいずれも高いレベルにあることである。まずまずの生活レベルの16の基準の中で、河南省の農民の一人当たり純収入のレベルの全国とのギャップは最も大きい。そのため、河南省の農民の生活水準が完全にまずまずの生活レベルに達するかどうかのカギは農民の収入にある。都市部の住民と異なっているのは、農民の純収入の中のかなりの部分は実物による換算によるもので、現金収入の一部は翌年の農業生産の費用を立て替えなければならず、本当に生活消費に用いられるのは65%を上回ってはいない。都市部住民の可処分所得は、それを願いさえすれば全部を生活消費とすることができる。2001年に河南省の都市部住民と農民の純収入の比率は2.4:1であり、実際の生活消費水準の比率は2.9:1であった。もし生活消費の現金支出レベルに基づいて対比すれば、その比率は4.3:1で、ギャップはさらに大きい。これは総供給と総需要の間に長い間埋めがたい溝を形成することになった。内需が不十分であることは中国の経済発展を制約する主な要素である。内需は都市の新たな消費を開拓しなければならないほか、主に農村市場を開拓しなければならない。
条件を作り出して、都市部と農村部の住民に同等な労働権益、就職チャンス、同様な社会保障を次第に享受させることは、張百良氏の今回の調査・研究におけるいま1つの課題である。農村からの出稼ぎ者への差別政策を徹底的に取り払い、都市と農村を一体化させ、開放された労働力市場を構築し、都市と農村の住民が発展・就職チャンスの前で平等な地位を本当に実現しなければならない。
国有資産は国民全体の資産であり、農民は長期にわたってそれから排除されることはできず、農民も次第に平等に分かち合う権利を持っている。それと同時に、国、集団、農民個人が共に出資し、合理的に負担する農村の養老と農村医療保険制度を逐次推し進め、農村の貧困脱却扶助政策とその他の民政補助政策を結び付け、農民の最低生活保障制度を試行しなければならない。
(「チャイナネット」より) 2003.3.5
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