第10期全国人民代表大会第1回会議まもなく開催


 中国第10期全国人民代表大会第1回会議が明日5日から、北京で行われる。これは指導者交代の会議で、代表は選挙で新たな国家指導者を選出し、政府が提出した今年の経済と社会の発展計画を審議しする。これらは中国国民の熱い注目を集めている。

 今の指導者の任期は今年3月に満了する。規定により、今回の会議で、全人代常務委員会の委員長と副委員長、国家主席と副主席、国家中央軍事委員会の主席、最高裁判所の長官、最高検察庁の長官などの新たな指導者が選ばれる。首相及び各閣僚、軍事委員会の構成人員が国家主席などの指名を経て、全人代会議で選出される。
新しい国家指導者の選挙が公正かつ民主的に行われるかどうかは注目を集める問題だ。これに対して、国家行政学院の杜鋼建教授は、「20年余りの改革開放と民主法制の整備によって、既にほぼ完備した選挙制度が確立された。全人代の代表が自らの意思と候補者に対する認識に基づいて選挙を行うよう信じている」と述べ、更に、代表は民主と権力への意識が絶えず高まるにつれて、候補者について情況を十分に理解した上で、選出するようになった。代表は政府部門が提供した情報以外に、さまざまなルートを利用して、候補者に関する情報を集めている。そうすれば、選挙権を行使する場合、より正しい判断に基づいて優れた候補者を選出できるようになる」と述べた。

 杜鋼建教授はまた、「全人代の代表は無記名の方式で選挙を進めることから、その選挙権の行使が他人からの影響を受けることはなく、公正を保障している」と指摘した。

 今後の経済と社会の発展問題は今回の全人代会議で注目されるもう一つの重要な話題だ。与党としての中国共産党は去年11月の第16次党大会で、「向こう20年にゆとりのある社会を全面的に建設させる」発展目標を明確に打ち出した。そのため、中国政府は今回の全人代会議に今年の発展目標とその実現施策を提出すると見られている。中国社会科学院現代中国研究所の李正華博士は「今回の会議に出席している代表は幾つかの分野で存在している問題に非常に関心を寄せている。まず、農村、農業、農民の問題だ。現在、農村人口が中国総人口の60%以上を占め、都市部住民と比べて、収入の伸び率が低い。ゆとりのある社会を全面的に建設するため、農村の問題をよく解決し、農民の生活レベルを向上させなければならない。第二に、日増しに厳しくなる就業と再就業の問題をよく解決すること。これらの問題は新任の国家指導者が直面する、真剣に解決すべきこと」と述べた。

 中国の国民はまもなく開かれる全人代会議に熱い眼差しで注目するだけでなく、代表達に大きな期待をかけている。北京市民の金英姫さんは「会議に参加する代表が、国民の利益を代表して、その責務を真剣に履行し、国民の生活レベルの向上に力をいれるよう期待しています」と話した。(「CRI」より)03/05/2003