農村事業の新しいポイント「農村協同医療」


 中国人民政治協商会議(政協)第10期全国委員会の委員で、国家衛生部の副部長(副大臣)である朱慶生氏は、こんどの全国政協で大忙しだ。記者は、昼休みになってようやく彼を取材することができた。「毎晩十一時まで、提案意見の討議以外にも、記者の取材がひっきりなしですよ」と彼は言う。

 朱慶生氏は、「こんどの『両会』(全国人民代表大会と政治協商会議)では、代表たちが医薬衛生改革に非常に関心を持っている。最近、各省で試験的に行われている新しい『農村協同医療制度』はとりわけ関心を集めている。それは今後2年間の農村事業の最大のポイントになるだろう」と語る。

 「農村協同医療制度」は、一定額の医療保険を毎月かけて、大病のときには国から保障してもらうという、新しい農村医療制度である。中央財政部門は2003年から、市区を除く中西部地域に対し、新しい協同医療に参加する農民に、毎年1人あたり10元(1元は約15円)の医療補助を提供する。地方財政部門も同じく、毎年1人あたり10元以上の医療補助を提供する。これらの地区の農民の協同医療参加を促すのである。

 朱慶生氏は「この制度は主に、農村地区における医療の難しさを解決するためのものだ。『治療する金がなく、病気のために貧困する』という農民の頭の痛い問題を、徐々に解決していくのです」と言う。

 このほか、彼は次のように指摘した。「今年から、すでに各省の2〜3県で試験的な事業を展開している。各地からフィードバックされた情報によると、資金運用もうまくいっているという。この制度は2010年には、中国全土のあらゆる農村にゆきわたるだろう。中国には8億の農民がいる。農民の衛生事業はわれわれ衛生部門が最も重視していることだ」

(本誌記者 王浩)人民中国インタネット版 2003.03.06