朱鎔基総理、低所得層の収入の増加を強調


 国務院の朱鎔基総理は5日午前の政府活動報告で、内需の拡大には低所得層の収入を増加させなければならないとの考えを示し、次のように述べた。

 当面の厳しい国際経済情勢のもと、経済の比較的速い成長を達成する根本的対策は、内需を拡大し、消費と投資という二重の牽引力をいっそう引き出すことである。引き続き積極的な財政政策と穏健な通貨政策を実施する上で、さらに必要な取り組みを保ちつづけると同時に、その他の関連のあるマクロ経済政策をとらなければならない。

 内需の拡大には、何よりもまず都市・農村部の住民、とりわけ低所得層の収入を増加させ、その購買力を培い、向上させることが必要とされる。つまり、一つは、よりいっそう有力な措置を講じて、あらゆる手段により農民の収入を増やし、農民の負担を確実に軽減すること。二つは、都市部の社会保障システムをいっそう整備すること。当面の急務は依然として「二つの確保」を貫徹することである。即ち、国有企業の一時帰休者の基本生活費と定年引退・退職者の基本養老年金が期日通り全額給付されることを確保し、いかなる所においても給付の新たな遅滞があってはならない。失業保険制度を充実させる。それと同時に、都市部住民の最低生活保障制度の整備を強化し、基準に適うすべての都市部貧困層の住民が最低限の生活を保障できるようにして、保障すべきものはすべて保障するようにしなければならない。中央財政は予算編成にあたって「最低生活保障」のための資金をかなり大幅に増やしており、地方財政も必要な資金を増やさなければならない。特に困難な業種と企業の職員・労働者に対しては、効果のある措置を講じることにより彼らの困難の解決にも手を貸さなければならない。引き続き都市部職員・労働者の基本医療保険制度、医療・衛生体制と医薬品生産・流通体制の改革を推し進める。遼寧省全域およびその他の省、自治区の一部都市における社会保障システム整備のテスト作業をいっそう立派に行う。全国の社会保障基金の調達と効率的管理、運用に努める。三つは、引き続き政府機関・事業体職員の基本給を適当に引き上げ、さらにそれに見合うよう政府機関・事業体の定年引退・退職者の退職年金を増やすこと。各種所有制の企業も収益の向上をふまえ、その職員・労働者の給与を適当に増やすべきである。一部の地方の幹部、公安・検察・司法機関の幹部・警察、教師の給与遅配の問題に対して、関係のある地方政府は有力な措置を講じてそれを早期解決しなければならない。地方財政は何よりも先に給与の支給を保障し、これまでに遅配していた分も早期補填しなければならない。新規建設プロジェクトの着手や至急に必要とはしない事業をとりやめたり、少なくしてでも、給与の期日どおりの支給を確保すべきである。職場の定員、編制の確定を厳しくしたうえでなお給与の支給に確かな困難が生じる省、自治区、直轄市に対しては、中央財政は移転支出によって補助を与える。市、県クラスの財政に困難がある場合、省クラスの財政も移転支出によって補助を与えるべきである。四つは、就業機会の増加と再就職に積極的に取り組むこと。これは住民の所得を増やす重要な手段である。就職のルートを広げ、就職のための職場を増すことに努める。就業受け入れ能力の大きい労働集約型産業、サービス業、中小企業を大いに発展させる。コミュニティ・サービス分野における就職の道を広げる。弾力性、柔軟性に富む多様な就職の形態をとる。労働市場を発展させ、就職サービス・システムを充実する。自助努力による就職の奨励と就職促進のための優遇政策措置を真剣に徹底化する。社会の弱者層に特殊な就職支援を与える。五つは、消費の分野をさらに開拓し、消費環境を改善すること。改革の深化を通じて、政策を調整し、消費を制約するさまざまな障害を取り除く。住民が住宅、観光、自家用車、電信・電話、文化、スポーツおよびその他のサービスの消費を増大することを奨励し、新たな消費ホットスポットを育成する。(「人民網日本語版」より)