【曹さんの一言】
「いま忙しく働いて、一つひとつ積み重ねていけば、将来的には、のんびりできる日が来ると思う。だから毎日がとても充実していると感じられる」

 曹亜寧さんは、手抜きをしない女性だ。

 旅行会社勤めの頃には、「掃楼」(建物をくまなく回る)という飛び込み営業も仕事の一部で、ビラ配りをしなければならなかった。

 成果は目に見えないもののため、同僚の多くはいい加減に仕事をしていたが、彼女は一戸一戸にくまなく足を運んだ。そんな努力は報われるもので、オーストラリア旅行の契約を取ったことをきっかけに、営業成績は日に日にアップした。いまでも彼女は、一番早く出社し、一番最後に退社する。週末に残業することもいとわない。

 もちろん、人間味あふれる女性でもある。後輩を弟や妹のようにかわいがるため、彼らも曹さんを「曹姉さん」と親しみを込めて呼ぶ。

 好きな雑誌は、発行部数が八百万部以上と言われる総合雑誌『読者』。深い哲理を含んだ文章を読み、自分の栄養にしようとしている。(2004年8月号より)


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AM6:00 
 起床後、短時間で身支度をして出発。323番バスに約30分揺られ、双安商場で下車。近くのマクドナルドで朝食を摂り、731番バスに乗り換えてオフィスへ。

AM7:30
 海淀区成府路のオフィスに到着。

AM8:00
   
 財務部で数日分の経費を清算。社長に翌日、翌々日のスケジュールを説明。

AM9:00

広報部の張さん、劉さんとともに、海淀区上地の幼稚園へ。幼児英語クラスのモデル授業を行う。中国語を使わない授業だったが、子どもたちの反応は上々。園長先生と打ち合わせをし、翌週火曜日から正式に授業を開始することを決定。

AM11:00  
 新たな契約を結べたことに胸をなでおろし、同僚と歓談しながら帰社する(路上)。

PM12:00
 帰社。清華園賓館のレストランで二十分で昼食。

 
【AM6:30】    
   
【AM7:00】    
   
【AM9:30】      
 

PM1:30 
 採用試験の面接を担当。業務拡大のための従業員募集で、業務をよく知る曹さんが面接官の重責を担った。

PM2:45   
 スーパーで顧客への贈り物を買う。
PM3:35
 バスで会社へ戻る。
PM4:30
 ミーティング。

PM6:00  
退社。パソコンの電源などを確認し、施錠。七〜八時まで残業することも多い。

 
【PM1:30】    
   
【PM4:30】      
  PM7:30 
 楽な服に着替えて料理の手伝い。
 
【PM7:30】      
  PM8:00 
 両親と三人でテレビを観ながら夕食

PM9:00
 片付け。娘の体を気遣って、母親は他の家事はさせない。
 
【PM8:00】      
  PM9:30 
 帰宅した弟と一緒にウェブニュースを検索。
 
【PM9:30】      
 

PM10:00 
 洗顔、歯磨き。
PM10:45  
 ベッドの上で雑誌『読者』を読み、リラックス。
PM11:00
 就寝。

 
【PM10:00】      
 
 
かばんの中身を
ちょっと拝見!
  900元で買ったバレンティノのバック。上品で大人らしく見える黒を好む。
 
  携帯電話と充電器。外出が多い曹さんは、電池切れにならないよう、いつでも充電器を持ち歩いている。  
  名刺。社長の補佐役として、広報、人事なども担当。  
  化粧品はほとんど持ち歩かないが、口臭防止スプレーやアロエクリームは必需品。  
  運転免許証。運転免許証はかなり前に取得したが、運転する機会はなかなかない。
  財布と各種のカード(テレホンカード、クレジットカード、スーパーのポイントカード、インターネット接続カード、美容院やホテルのVIPカードなど)。  
 
領収書や各種の控え(タクシーの領収書、銀行の引き出し確認書、スーパーのレシートなど)。
 
 
高級ティッシュ
 
 
会社のキーケースと自宅のカギ。
 
 
栄養補給のためのサプリメント。
 
 
バックには必ず業務と関連する本を忍ばせ、移動時間などに自分を磨く。
 
 
ノート。顧客の電話番号や業務計画を記入している。
 
 

【取材日:2004年5月10日(月曜日)、取材場所:北京市】


プロフィール
北京市生まれ。職業高校卒業後、ホテル、旅行会社、パソコンショップなどに勤務。2001年から益友中和児童素質教育会社で総経理(社長)の補佐役を務める。父親は建築会社勤務、母親は早期定年退職し、現在は主婦。バス運転士の弟も曹さんも未婚のため両親と同居し、それぞれ毎月500元ずつ両親にわたして、家計の足しにしている。