【王さんの一言】ビラが少なくなり、きれいになった街をみると自分のやっていることに意義を感じます。
今、道路や歩道橋、電柱などには、「治療」「観光」「求人」「ニセ証書の発行」など、国の認可を得ていないあやしい内容のビラがあちこちに貼られ、街の景観を乱している。
このようなビラをはがし、街をきれいに整えるのが王農田さんの仕事だ。
始めたばかりのころは、ビラを貼った人に仕返しをされるのではないかとビクビクしていた。しかし、ある老婦人は王さんの労をねぎらって、お茶をごちそうしてくれた。ほかの住民たちもビラに対して反感を抱いているため、この仕事を支持してくれる。「生活環境をきれいに保ちたいとみんなが願っています。自分の顔に変なものを貼り付けられて喜ぶ人がいますか」
朝8時から夕方5時まで、毎日4、50キロは自転車で街中をまわる。一日の仕事が終わったら、宿舎へ戻り同僚たちとおしゃべりやトランプ。同郷の友人に会いに行き、望郷の思いをまぎらわすこともあるという。
40平方メートルの部屋に10人が生活している。各自にロッカーが一つずつあり、個人の物はそこにしまう。