中国科学者、SARS伝染の五つの特徴を解明


 中国の専門家は先般、研究を経てSARS伝染の五つの特徴を解明した。「慢性病にかかった高齢者がSARSに感染すると、スーパー・スプレッダーになりやすい。伝染者が発病してはじめて他の人に伝染する。密接に付き合えば、感染されやすい。潜伏期にあるSARS患者の伝染性は見つかっていない。隔離された患者は伝染をたちきることになる」という。

 この「伝染性SARS伝染チェーン分析」をテーマとする研究は中国疾患予防対策センター流行病学の上席科学者・曽光氏をはじめとする人たちの仕事である。全国SARS治療予防チームの疫病分析専門家として、曽光氏は21日、スーパー・スプレッダー1人の流行病学的調査を経て、SARS伝染の一部の特徴をまとめた。

 3月24日、北京の91歳の男性患者1人が右腕が動かなくなったため病院へ行き、脳出血、脳梗塞と診断され、また、熱も出ていた。3月30日、この老人は心筋梗塞のため死去した。死去の前に、老人はSARSにかかっていたと診断された。3月31日から、この老人の家族、同じ病室にいる患者、医療関係者の中にSARS患者が相次いでいた。4月17日、この老人は37人を直接或いは間接的に感染させ、本人のほか、1人が死亡した。

 曽光氏は「この老人はSARSのスーパー・スプレッダーだ。この患者には二つの特徴があった。一つは高齢であること、二つは慢性病にかかっていたことである」と語った。WHOの情報によると。慢性病にかかった患者がSARSに感染すれば、スーパースプレッダーになりやすい。その後、患者隔離の措置のおかげで、新しい病例はない。それは隔離措置が最終的には、SARSの更なる広がりを断ちきったことを示す。

  研究者は伝染チェーンを分析する中で、すべての患者は伝染者の発病期間に、彼と接し、特に発病後の3日目〜5日目に接したという共通の現象に気がついたけた。それはこの期間において、SARS患者の伝染性が強いことを示しており、これは重視しなければならない。

  曽光氏は「この老人が発病前に接した44人のうち、1人も発病していなかった。同老人が発病後に接した家族9人のうち、6人が発病し、1 人が死亡した。この伝染チェーンの中で、ある患者は発病の前に、クラスメート同士29人と接したが、この29人の誰も発病しなかった。それは潜伏期のSARS患者には伝染性がないことを示している」と語った。

 曽光氏は「この老人は家族の間にSARSを広げたほか、病院の中でも伝染チェーンを形成した。そのうち、同じ病室の患者7人のうち、2人が発病した。

 医療関係者10人も発病した。彼らは患者のために呼吸器をつけるか、またはそのほかの形で患者と接した。付添人が多かったが、密接に接したことがないから、わずか6人だけが発病、発病率は低い。医療関係者の家族には発病した者はいない。それは患者と密接に接した場合には、伝染の可能性が高いことを示している」と述べた。

                   「新華網」より 2003年5月26日