衛生部 今後のSARS対策を策定


  重症急性呼吸器症候群(SARS)の予防・治療について、全国の衛生庁(局)の責任者によるテレビ電話会議が25日開かれた。現在感染状況が下火になっているSARSについて、衛生部の高強常務副部長は「決して油断してはならない。少しでも慎重さに欠けると、感染がぶり返す恐れがある」と警戒を呼びかけた。

  高副部長は会議で「全体的に見れば、SARS対策は依然として厳しい状況にある」と任務の重要さを強調。その理由として、次の4点を挙げた。

 1.国内では現在、治療中のSARS患者が2300人に達しているほか、「疑い例」患者1600人が隔離治療を受けている。発病率と死亡率を抑え、治癒率を高めることが重要である。

 2.北京市やその周辺地区では、新規感染の減少傾向が不安定であり、流行の再拡大を抑えるために十分注意する必要がある。

 3.一部農村地区の予防・治療業務には、不十分な点や感染拡大につながる危険な点が、依然として存在する。

 4.SARSは人類が十分な知識を持たない難病であり、感染力が強く、流行の特徴がまだ完全には把握されていない。そのため、識別や診断、治療に困難が伴う。

 またSARS対策の重点は依然として北京市や華北地方に置かれているとしたうえで、「感染が下火になるにつれ、人口流動の活発化、農村に戻った出稼ぎ労働者や地方に戻った学生の再上京など、新しい問題を把握、検討しなければならない」と強調。流行の再発を防ぐため、新しい対策を打ち出す必要があるという認識を示した。

              「人民網日本語版」より 2003年5月26日