温家宝総理「今はSARS対策のカギとなる時期」


 国務院は21日午前北京で、第2回全体会議を開催した。温家宝総理が会議を主催し、演説を行った。温総理は、重症急性呼吸器症候群(SARS)対策と経済情勢について分析し、「現在の予防・治療作業は依然として厳しく、任務は極めて困難だ」と強調。

 「一部の地区ではまだ毎日新たな感染者が見られ、病院で治療を受けている患者や感染の疑いがあると判断された患者の数も多い」と述べた。また北京などの重点地区では、新規感染者数が少なくなってからまだ日が浅く、予防・治療のための活動には脆弱(ぜいじゃく)な部分も見られるほか、農村では感染拡大の可能性もあるとした。

 そのうえで温総理は、SARSについては、効果のある治療・予防法や、感染拡大を防止する方法が明らかになっていないと指摘。「感染拡大が抑えられている時期には、(危険性に対する)感覚が麻痺し、楽観的な気分に陥りがちだ」と話し、今は予防・治療にとってカギとなる重要な時期にあると強調した。

 温総理はまた、今年に入ってから国内経済は好調に推移してきたとし、「経済は急成長し、経済効果も明らかに向上しているが、一部の業界ではSARSによるダメージを受けている。SARS発生が経済の与える影響を十分に検討しなければならない」と述べた。

                   (「人民網日本語版」より)2003年5月23日