エビアン・サミット(主要国首脳会議)は2日午後(日本時間同日夜)の会合で、新型肺炎SARS対策のため、G8が世界保健機関(WHO)と緊密に連携することなどを盛った「保健に関するG8行動計画」を採択した。また、これに関連し、日本政府は、中長期的なSARS対策を支援するため、世界銀行とアジア開発銀行を通じて計600万ドル(約7億円)の追加支援を行うと発表した。
小泉首相はこの日の会合で、SARSについて「台湾や中国、カナダの状況をみれば、事態は依然として深刻だ。このような病気は観光業、進出企業にも大きな影響を与えている」と指摘。そのうえで「WHOを支援していきたい」と述べ、積極的に対策支援に取り組む考えを強調した。
SARS対策で、日本政府は感染国への緊急支援としてこれまでに約1700万ドル(約20億円)の二国間協力を実施してきた。政府が発表した追加支援策は、中長期的なSARS対策を確立していくための支援を想定しており、首相の発言はこうした方針を踏まえたものだ。
保健に関する行動計画は、SARS制圧のためにG8各国間や、G8と非G8諸国との協力を行うとするとともに、国際的な協力を進める分野として、世界規模の疾病監視や研究、診断、予防、治療などをあげている。SARS以外では、エイズや結核、マラリア、ポリオ対策を盛り込んだ。
「asahi.com」より 2003年6月4日
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