WHO専門家、
中国はSARS撲滅に大きな業績を上げたと称賛


 新華社情報北京6月11日発 WHO(世界保健機関)の伝染病防止治療を担当するDavid Heymann主任は11日、中国政府が全社会を組織して、新型肺炎(SARS)の防止制御に努め、大きな業績を上げたと称賛した。

 同氏を始めとしたWHOの一行は午前、WHOのジュネーブ本部から中国を訪れ、2日間の訪問で中国の大陸部のSARS撲滅作業を調べるうえ、中国の衛生部門と今後の計画作りに着手する計画だ。

 衛生部常務副部長である高強氏は専門家の一行と会見し、中国の大陸部がSARS撲滅における新たな状況を説明した。同氏の話によれば、数ヵ月にわたる戦いにより、中国のSARS撲滅は著しい業績を成し遂げた。SARS臨床診断病例が発見された24の省のうち、12の省がすでに1ヵ月以上、5つの省が20日間以上新たな病例報告を出していない。現在、感染状況のある7つの省のうち、一部の省はすでに2週間新たな病例報告を出していない。「今はSARSの情勢は有効的に制御され、中国の社会と経済生活が徐々に正常化を取り戻していると言えよう」と同氏は意気込む。

 なお、中国各クラスの政府、衛生主管部門と民衆は油断しておらず、「防止治療の思想を緩めず、政府の指揮力を一層強め、これまで使った有効的な措置を徹底させる」との方針を同氏は明らかにした。

 中国政府はSARS撲滅の経歴を通じて、公共衛生システムの構築の重要性を認め始め、衛生事業の投資増加、衛生スタッフの養成、全国的な疾病制御ネットワークの構築、疫病感染情報報告ネットワーク及び医療援助システムの構築、農村の医療衛生システムの構築などに取り組んでおり、経済、社会の協調的な発展をめざしている。

 中国とWHOの協力はSARS撲滅に限定されず、一層幅広く公共衛生分野での協力を広げるべきで、WHOからより多くの援助を受けることを望んでいると同氏は強調した。

 WHO専門家一行は中国の講じた感染状況を即時抑えた措置を調査するために中国を訪れたとHeymann氏は話している。同氏の話によれば、中国の各クラス政府は全社会を組織して、全国に張り巡らされた疾病遠隔測定ネットワークを築き上げるよう承諾した。さらに病人は発病から入院までの時間がますます短くなり、接触者の追跡に必要な時間も一層短縮され、これらはいずれもSARS発病量の減少を促した。中国の打ち出した疫病情勢報告は真実的で、正確なものだ。

 全世界的な協力を進め、一致団結してこそ、SARSに勝つことができるとWHOは認識し始めた。中国は最初から全世界的なSARS撲滅の重要な一環として、WHOは中国と協力して公共衛生事務を処理する能力を一層高め、デジタルの処理能力を高める意欲がある。WHOは当面、実験室、流行病、臨床救助という3つの世界的なネットワークを構築し、中国の専門家も上述のネットワークの構築作業に参入し、中国は各国と地域とともに、収集した高水準の情報を分かち合うよう期待していると同氏は要望した。

 同氏は今週金曜日にWHO総幹事に対し中国の大陸部でのSARS撲滅状況を報告する予定だという。

                          (「新華網」)より 2003/6/12