中、米、日など9カ国の研究者がSARS対策で連携


 全人類にとって共通の敵、重症急性呼吸器症候群(SARS)を迎え撃つため、多くの国々の科学者たちはいまだかつてないほど団結を強め、手を携えてSARSの予防、治療法の研究に取り組んでいる。

 世界保健機関(WHO)のもとで、中国、米国、カナダ、日本、シンガポール、欧州など9カ国10数カ所の実験機関でつくる研究ネットワークは、昼夜休みなく数十もの研究プロジェクトを進め、SARS攻略に力を合わせている。

 WHOのある研究者は「各国の科学者たちによる今後の数週間以内の研究成果は、SARSの正確な把握に極めて重要な意義を持つことになるだろう」と指摘。「SARSの予防、治療は、今まさに十字路にある。次の一歩をどう進むか予測に頼ることはできず、科学が実証する信頼できる情報を基礎としなければならない」という。

 SARSウイルスにさらに危険な変種が存在するかどうか、どのくらいの数のウイルスが人を発症させるのか、ウイルスの生存期間はどのくらいか、SARSの予防や治療に有効なワクチンや薬は果たしてあるのか――。これらの問題は未解決のまま。ウイルス学者や微生物学者、伝染病学者、遺伝学者ら専門家で構成する多国間の共同研究チームがいま、こうした疑問を解くために努力を続けている。

                     (「人民網日本語版」より) 2003年5月8日