WHO職員「中国発表のSARSデータは信用可能」


 世界保健機関(WHO)の専門家は13日、北京で開かれた記者会見で「中国が発表している重症急性呼吸器症候群(SARS)感染状況のデータは信用できる。故意にデータが隠ぺいされている疑いはない」と述べた。

 WHOの駐中国代表のベケダム氏は「WHOの駐中国専門職員は中国の衛生部門と同じデータベースを利用しており、情報源が共有されている」と説明。また同専門職員の銭秉中氏も「SARS感染状況に関するデータはWHO側もすべて取得可能」としたうえで、「中国が公表しているデータは信頼できるものであり、情報が故意に隠ぺいされているとする疑惑は事実無根だ」と語った。

 同専門職員の福田敬二氏は「中国でのSARS流行開始当初、統計上のミスが確かに存在した」と指摘する一方、「SARSは新しい病気であるうえに、流行開始当時は医療条件や人的・物的条件に限界があった」と述べ、SARS流行開始時の統計の遅れに理解を示した。またSARS対策で中国側からWHOへの協力が得られたことを高く評価した。

                    (「人民網日本語版」より)2003年5月15日