北京の街で見かける動物といえば、数年前まで、食用にされるウサギやタヌキくらいだった。
ところがペットブームの到来で、最近は街のあちこちで愛玩用の動物に出会う。それが動物たちにとって幸せなことかどうかはわからないが、私はとても嬉しい。
動物たちが考えていることはおそらく、食べる、寝る、子孫を残す、の三つくらいだと思う。けれども人は、もう少し複雑な世界に生きていて、思い悩むこともそれだけ多くなっていく。
そんな時、彼らに触れると、「何でそんなどうでもいいことに悩んでいるの?」と、いわれているようで、ふと、大切なところに戻って行けるような気がする。
中国のペットブームは、ここにも、そんな癒しが必要になってきたということなのかもしれない。(2003年4月号より)
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note
北京でペット犬を飼う場合は、登録料として、初年度5000元(約7万5千円)、2年目以降2000元(約3万円)を納めることになっている。猫には特別な規定はない。どちらもペットとして大変人気がある。 |
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profile
佐渡多真子(Tamako Sado )
1990年、フリーカメラマンとして独立し、日本の雑誌などで活躍。95〜97年、北京大学留学。その後、北京を拠点とした撮影活動を続けている。写真集に、『幸福(シンフー)?』(集英社)、『ニーハオ!ふたごのパンダ』(ポプラ社)がある。 |
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