新疆ウイグル自治区概観 |
侯若虹=文 馮進=写真 |
【名称の歴史】 新疆は昔、「西域」と呼ばれ、中国西部の辺境地域を意味した。1884年、清朝政府は正式に新疆省を設置した。「西域」を「新疆」に改名したのは、「もともとの土地が新たに帰ってきた」という意味を込めたためである。 新中国になってから1955年に、「自治区」が設立された。このとき、各民族の協力にとって有利な地域的な自治制度を採用すること、民族の分立を強調しないことが考慮された。新疆で最大の民族はウイグル族なので、自治区にウイグルの名前を冠することによって、ウイグル族がその他の民族と団結し、共同で新疆を建設する責任感を表すことができるとして、最終的に「新疆ウイグル自治区」の名前が確定した。 【地理】 新疆は中国西北の辺境に位置し、東北、北、西、西南でモンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、アフガニスタン、パキスタン、インドと国境を接している。国境線の総延長は5600キロ。中国の陸上国境線総延長の4分の1を占めている。 新疆の地形を概括すれば「三つの山が二つの盆地を挟む」形となっている。北部にアルタイ山脈、南部に崑崙山脈があり、天山山脈が中部に横たわり、新疆を南北に分けている。北部にはジュンガル盆地(面積38万平方キロ)、南部にはタリム盆地(面積53万平方キロ)がある。天山以南を南疆、以北を北疆と呼ぶのが慣わしである。 【気候】 年間平均気温は9.3度。年間平均降水量は171ミリ、中国全国でもっとも雨が少ない。天山の東部にあるトルファン盆地のもっとも低い所は、海抜マイナス155メートルで、中国の陸地の最低地点である。そこは、夏季には、最高気温が49.6度に達したことがあり、中国大陸でもっとも暑い場所である。 【人口、民族】 新疆の総人口は2003年で1933万9500人。そのうち少数民族は1162万8500人で、総人口の60.13%を占めている。 新疆は多民族地区であり、47の民族が住む。その中ではウイグル族がかなり多く、800万人以上で総人口の46%を占める。その他の主な民族は、漢族、カザフ族、回族、キルギス族、蒙古族、タジク族、シボ族、満州族、ウズベク族、ロシア族、ダオール族、タタール族など。 【宗教】 新疆は昔から、各種の宗教が並存している。主な宗教はイスラム教、チベット仏教、仏教、道教、キリスト教(プロテスタントとカトリック)、東方正教、シャーマニズム。イスラム教は新疆の社会生活の中でかなり大きな影響力をもっている。現在、新疆各地のイスラム寺院とチベット仏教寺院、カトリック教会などを含むその他の宗教活動の場所は、全部で2万3000カ所ある。 【鉱業】 新疆は鉱物資源が豊富である。2002年末までに発見されている鉱物は138種で、中国全国で発見されている鉱物の80%を占めている。その中で、天然ガスの埋蔵量は10兆3000億立方メートルで、埋蔵量は全国1位。石油の埋蔵量は208億6000万トンで、全国の陸上石油埋蔵量の30%を占めている。石炭の推定埋蔵量は、全国の3分の1以上。 【農業】 新疆の穀物生産は小麦、トウモロコシ、米を主としている。経済作物は綿花、ビート、ビール用ホップなど。新疆の綿花は繊維が長く、色は白く光沢があり、品質良いので有名。 果物はウリ類が甘くて美味しい。糖度が高いことで有名。もっとも有名なのはトルファンのブドウ、ハミのハミウリ、コルラのナシ、クチャのアンズなど。 【牧畜】 新疆は中国の主要な牧畜基地の一つである。優良品種の家畜には、新疆細毛羊、アルタイ大尾羊、クチャ黒子羊、イリ馬、チョチェク牛、二瘤ラクダなど。(2005年10月号より) |
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