特集  中日の心をつなぐ24式太極拳 
                                                               

 「中国認識の窓」として

アジア武術連盟事務局長、日中友好協会理事長、日本武術太極拳連盟副会長 村岡 久平さん

  ――中日両国の交流の中で、太極拳の果たした役割は何でしょうか。
 
  村岡久平さん(以下、村岡と略す)  日本の太極拳は、日中両国の貿易や政治交流が拡大するのに伴って発展してきました。日中国交正常化後は、両国の人の往来がますます増え、中国へ行った人が中国での見聞を紹介する時にはほとんど太極拳の話をします。ですから太極拳は、日本人の中国認識の窓となっていると言えます。

  1990年の北京アジア大会の開会式で、私は750人の日本の太極拳愛好者を率いて、中国の人たちといっしょに演技しました。1500人が演ずる太極拳は壮観で、これから太極拳はアジアへ広まって行ったのです。

  いま、日本体育協会加盟の55の団体の中で、中国との交流がもっとも密接なのは太極拳です。統計によると、毎年だいたい3000人以上の日本の太極拳愛好者が中国に行き、学んでいます。彼らは中国に対し自然に親近感を持つようになりますから、太極拳は「日中友好の応援団」と言ってもよいでしょう。

  ――今後、日本の太極拳は、どうなって行くでしょうか。

  村岡 現在、日本で太極拳を学んでいる人は非常に多く、組織形態もさまざまです。日本武術太極拳連盟は、全日本の太極拳運動の管理に責任を負っています。競技としての太極拳の発展と中高年層の太極拳の普及です。競技としての太極拳は、主に若い選手の育成と訓練に力を入れています。日本の太極拳の愛好者は、お年寄りと女性が多いので、今後は若い人たちを吸収する努力が必要です。(2006年10月号より)


 
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