特集  国宝たちが語る中華文明の精髄
中国国家博物館の呂章申館長が語る 「名品展」の見所

国家博物館の呂章申館長(写真・劉世昭
 今回、日本で展示される文物はみな、東京国立博物館の前任の副館長の西岡康宏さんら、中国の文物を研究している日本の専門家が選んだものです。その中で、一級文物は全体の70%を占めています。その他の30%も一級文物に昇格するのは時間の問題です。

 国務院が特別に許可してくれたので初めて、これほど多くの国宝級の文物が一挙に海外で展示できるようになりました。その文物の大部分は、日本で初めて展示されるものです。

北京・天安門広場の東側にある国家博物館(写真・劉世昭)
 今回展示される文物は、時間的には、新石器時代から唐末、五代に至る約3000年間にわたり、空間的には、中原の漢族文化や北方、南方の少数民族の文化を包含しています。中国古代史の半分を反映しているといえるでしょう。

 中国には「仁者は仁を見、智者は智を見る」という諺があります。文物の造形、模様や装飾、色彩、工芸を目で鑑賞するにしても、それが代表する文化を心で感じるにしても、細かいところまで見さえすれば、誰もがその文物と共鳴することができると思います。この、数千年の時空を超えた共鳴がもたらす感動的な精神の楽しみは、忘れられない収穫になるでしょう。

国家博物館の文物展示ホール(写真・劉世昭)
 日本と中国は、文化交流の面で、長い歴史があります。両国の国民は、相手の文化を鑑賞するときに、親近感のようなものを感じます。私は、日本の観客の皆様が、この名品展で、中国の悠久の歴史の美と豊かな文化の美、深い知恵の美を感じることができると思います。また、文化交流を通じて、中日両国の人々が相互理解を深め、互いに尊重し合い、互いに学び合い、いっしょに東洋文明の共通性を感じることを望みます。 (2007年1月号より)

 
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