深遠な国茶の世界F
棚橋篁峰
 
 
口当たり爽やかな現代の名茶
緑茶E

 

今回は現代に生まれた名茶を紹介します。

高橋銀峰

高橋銀峰の茶畑

 高橋銀峰は白毫が白雪のように見えることから名付けられました。湖南省茶葉研究所実験茶場で生産されています。

 1954年から茶葉の科学的研究を始め、湖南省長沙市長沙県高橋鎮の弥谷山丘に新型茶園を作り、優良品質の茶樹を栽培管理して、茶葉製造の研究を行いました。その結果、1959年、開発に成功した緑茶新品種が高橋銀峰です。高橋茶園は玉皇山麓に位置し、南東は瀏陽市に臨み、北は平江県の丘陵山地に対し、平均的な海抜は200〜300メートルで山や池が至る所にあり、渓流が流れています。温和な気候で十分な雨量があり、冬は暖かく夏は涼しく、茶樹栽培に向いています。

 高橋銀峰は一芯一葉を丁寧に摘み取り、外形は細く捻られた彎曲形で、白毫が白雪のように美しく、色は深緑色で、爽やかで高い香りがあり、味がまろやかです。淹れられた茶湯は明るく透き通っており、茶葉は柔らかく、均整が取れています。

 高橋銀峰の高級品は爽やかで、新鮮、味はまろやかで飲みやすく、気分が落ち着き、視力を良くさせる効用があるのです。

南京雨花茶

 南京雨花茶は1960年代に緑茶類として新しく登場した名茶です。江蘇省南京市の雨花石を産出している雨花台で生産しているため、名付けられました。1958年から研究開発を続け、現在まで30年余りの歴史があります。

 南京雨花茶の産地は最初の生産地である南京中山陵と雨花台園林景勝地から、1つの区と4つの県に拡大しています。

 清明節前後に一芯一葉または一芯二葉を摘み取り、摘み取った茶葉は日の当たらないようにすぐに加工します。炒青緑茶の製造工程として、軽度の萎凋、高温殺青、適度の揉捻、整形乾燥などを経て、篩いにかけて選別し、特級と1〜4級の5つの等級に分けて生産します。雨花茶の外形は松針のように真っ直ぐな形で、緑色、白毫が現れ、お湯で淹れると、茶葉は柔らかく、均整がとれています。味が爽やかで、香り高く、色は透き通っているので、気持ちが落ち着き、脂肪の濃度を下げる効果があります。(2005年7月号より)

【ワンポイント・メモ】

 中国茶は、古い名前のものが有名ですが、現代に開発されたこれらのお茶は、歴史上のお茶に勝るとも劣らない素晴らしいものです。このほか、浙江省の「安吉白茶」なども素晴らしいお茶です。現代名茶はいずれも、渋みが無く、爽やかな口当たりが特徴です。一度試してください。「緑茶に対する考え方が変わった」と言う人もいるほどです。

棚橋篁峰 中国茶文化国際検定協会会長日中友好漢詩協会理事長、中国西北大学名誉教授。漢詩の創作、普及、日中交流に精力的な活動を続ける。

 

 

 

  本社:中国北京西城区車公荘大街3号
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