今回は、烏竜茶の中でも独特な広東省の鳳凰単ソウと日本人に人気の台湾の凍頂烏竜を紹介します。
★鳳凰単ソウ
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単ソウ茶樹の原木の前に立つ筆者 |
鳳凰単ソウは、広東省潮州市鳳凰鎮の鳳凰山(1497メートル)を中心に生産されています。山中の茶樹は海抜1000メートル以上にあり、1年中、雲霧に包まれ、空気は湿り潤っています。茶樹の生長と独特の香りの形成に有利な環境で、現在3000株の単ソウ茶樹の大木があり、全て樹齢は100年以上、茶葉の生産量は1本あたり10キログラム余りにもなります。
単ソウ茶は鳳凰水仙の優良な茶樹を栽培、茶摘み、加工したもので、香りと味の違いによって、現地では黄枝香、芝蘭香、桃仁香、玉桂香、通天香、密蘭香などに分けています。1芯2葉ないし1芯3葉を摘むのが基本で、お茶は蘭の香りがあり、味も芳醇且つさわやかで後味は甘く、茶湯の色は透き通った黄色で、葉の周辺は赤色で、葉の中央部は明るい黄色になります。
★凍頂烏竜
凍頂烏竜は台湾南投県鳳凰山の支脈、凍頂山の鹿谷郷が主な生産地です。ここは海抜500〜900メートルです。「凍頂」という名前の由来は次の通りです。
凍頂山は湿度が高く、1年中雲霧に包まれています。そのため、山道は非常に険しく、歩きにくいのです。山に登る人は、足をしっかりと踏みしめないと山に登ることが出来ません。「足をしっかり踏む」ことを台湾のビン南語で「凍脚尖」(足先が凍る)と言います。そこで、山の名前が「凍頂」と呼ばれるようになり、お茶にもその名称が使われるようになりました。
凍頂烏竜は1年中摘むことができ、春茶は3月下旬〜5月下旬、夏茶は5月下旬〜8月下旬、秋茶は8月下旬〜9月下旬、冬茶は10月中旬から11月下旬に摘み取ります。
凍頂烏竜は茶葉の外形が湾曲している半球形で、色は蒼々しい緑色で、天然の香りがし、淹れると茶湯は緑がかった黄金色で、味は潤いのある甘みがあります。
台湾の烏竜茶は清朝の康煕年間(1662〜1722)に福建省安渓県から品種を導入して栽培したものです。(2006年1月号より)
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