最近、黒茶は世界的なブームです。その理由は、黒茶は脂肪分の分解力が強く、ダイエットに効果的だからです。そのため、経済的に発達し、モータリーゼーションの社会となったアジア地域では、運動不足からよく飲まれているようです。
広州の飲茶から始まり、香港、マレーシア、日本、台湾、上海、北京などへ伝わって、さらには世界中に広がる勢いです。それでは、独特の茶の世界を持つ黒茶とは、どのようなお茶なのでしょうか。
黒茶は種類が多く、さまざまな場所で生産されますので、よく吟味する必要があります。
黒茶が最初に生産されたのは四川省です。四川産の茶葉は主に中国の西北地区、チベットやシルクロードにも輸送されました。四川の道は険しく交通が困難です。そこで、運びやすくするために茶葉を蒸して圧縮するという製茶方法が考えられました。これが微生物発酵をして黒茶になった「団茶」です。
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さまざまなプーアル茶 |
団茶は20日間の湿ヒ堆積(一定の湿度を保って積み上げておくこと)が必要で、色が少しずつ緑色から黒色に変わり、独特な味がするようになります。
普通のお茶のように茶葉がバラバラのままのものは「散茶」といいます。散茶の黒茶をつくるには一芯と5、6葉がよく、春には12〜18時間、夏と秋には8〜12時間発酵させます。
黒茶は辺境地域の少数民族のチベット族、蒙古族、ウイグル族に愛飲されるので、辺銷茶とも呼ばれています。
黒茶は生産地の区別で、雲南省のものと、湖南省、湖北省、四川省、広西チワン族自治区のものに分けられます。
雲南の黒茶は一般的にプーアル茶と呼ばれます。このプーアル茶の散茶はとりわけ濃厚な味を持っていて、辺境地域のほか、前述したように海外の華僑たちの間や日本でもよく飲まれています。
本来、普ジとは、雲南省の茶産地の地名だったのですが、黒茶のプーアル茶が有名になったので、一般的にプーアル茶といったら黒茶を指すようになりました。
普ジ地区では、プーアル緑茶やプーアル紅茶も作られているので、間違えないように注意してください。プーアル茶についての詳しい話は、次回をお待ちください。(2006年4月号より)
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