中国雑貨店 街角でおみやげ探し
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冬に楽しみを添える甕
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写真・佐渡多真子 文・原口純子 |
中国で真冬でも様々な野菜が買えるようになったのは、九〇年代初めごろからでしょうか。それまでは冬の野菜不足に備えて、どこの家庭でも、多少の保存食を作っていたといいます。北京でなら、ナスやニンジンなどの乾燥野菜。それに白菜の漬物「酸白菜」が代表選手です。 こうした保存食作りが、晩秋に欠かせない仕事だった時代が過ぎ、今、それは、暮らしの彩りになっているようです。 台所用具店で、きれいな漬物甕を見つけました。四川省の辛い漬物「泡菜」専用のものです。「泡菜」は、唐辛子や山椒の実と、キャベツ、インゲン、ニンジンなどをよく洗って干し、塩、砂糖、白酒を加えて漬け込みます。蓋の口部分には、水をはり、簡単に密封できるよう、工夫されているのが嬉しい。約一週間後から、食べ始めます。 同じ唐辛子風味の辛い漬物でも、韓国のキムチよりは、ずっと作り方が易しく、これくらいならと、やる気が起きてきます。 今や中国の冬のスーパーには、新鮮な野菜はもちろん、酸白菜や泡菜も、あふれるほど売られていますが、いい甕を見付けたら、自家製漬物に挑戦したくなりました。 泡菜のほかにも、いろんな漬物に利用できそうで、冬が楽しくなりそうです。(2000年10月号より) |