中国雑貨店 街角でおみやげ探し

餃子の宴の脇役

                         写真・佐渡多真子  文・原口純子
 
 春節の食卓。しきたりを守る家では大晦 日の夜、ご馳走を食べた後、一家総出で餃 子を包み、時計が十二時を打つと同時にゆ で始めます。そんな手間を嫌うようになっ た最近では、袋詰めの冷凍餃子で――とい うことも家によってはあるようですが、と もかくも、新しい年の始まりに水餃子を食 べる習慣は、まだ根強く続いています。

 水餃子がゆで上がったら、次はそれをつ けるもの。こちらではよく、黒酢に、醤油と ゴマ油、それに細かくつぶしたニンニクを 入れた「蒜醤」を用意します。さっぱりし た水餃子にコクのある「蒜醤」の相性は抜 群、ぜひお試しいただきたい素朴な美味の 一つです。コツといえばなるべく多目にニ ンニクを入れること。雑貨店にはニンニク つぶし専用の、ご覧の道具がちゃんと売ら れています。

 ニンニクは細かくするほど香りが立つ性 質だそうですが、みじん切りや、すりおろ しは、指先にいつまでも匂いがついて困る し、なかなか面倒。その点、この道具なら トントンと手軽につぶしニンニクができあ がります。便利な道具を使って年の始めに 滋養強壮を誇るニンニクをたっぷり。春節 の食卓には一年を元気に暮らしていくため の、そんな知恵も秘められているようです。(2001年1月号より)