中国雑貨店 街角でおみやげ探し
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卵はまとめ買い
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写真・佐渡多真子 文・原口純子 |
これは、卵の買い出し専門のカゴです。針金を編んだ折畳み式で、卵を入れると網がぐっと伸びる仕組みです。スーパーでは、今ではプラスチックケースに十個ほどが入った卵のパックが売られていますが、朝市などでは、卵は量り売り。中国の人たちは、みな、ぎょっとするほど沢山の卵を一度に買って、こんなカゴで持ち帰っています。
卵の店で、買物をしていた五十代くらいのおばさんは、「家は三人家族で、一日最低三個は食べるから、一回に五斤買うことにしているよ」とのことでした。五斤といえば、二・五キロ。約五十個分の卵ですが、このカゴではちょうど半分がうまるくらい。なんと最大四キロ分くらいは持ち帰ることができる、すごい容量のカゴなのです。 チマチマと卵を買っては、使いたい時にうっかり切らしていて、イライラすることがよくある自分の買い方と比べてみると、こんな中国式の卵のまとめ買いは、なかなか便利そうです。 「私ら五十代から上の者は、卵でも油でも米でも、何でもどっさり家に置いておく習慣があるねえ。そうすると、安心じゃないかい?」ともおばさんに言われました。卵の買い方一つにも、各人の生活哲学がチラリと見えていて、なかなか面白いのです。(2001年4月号より) |