中国雑貨店 街角でおみやげ探し

新郎新婦のシンボル

                         写真・佐渡多真子  文・原口純子
 

 中国の結婚シーズンは、メーデーがある五月や国慶節がある十月。連休になるうえに季節もいいので、この時期、街の レストランに入ると、結婚の祝宴が開か れているのによく遭遇します。

 調理用具専門店で、そんな席で使われ るという、三点セットのユニークな型を 見つけました。度み重なる幸福を象徴す る「双喜」(シュワンシ)と、龍と鳳凰 が揃っています。

 中国では伝統的に、龍は男性の、鳳凰 は女性のシンボル。そしてその組み合わ せは「夫婦」を表すものとなります。

 八十年代中ごろまでは、新婚夫婦用の 寝具や、食器にも、龍と鳳凰、それに「双 喜」が派手にプリントされたものがよく 使われていました。シンプルなものが好 きな若い人が増えた今では、そんな品も 姿を消しつつありますが、祝宴に使うの は、現在でも喜ばれるようです。

 日本でも、結婚祝いのパーティで、ニ ンジンをくり抜いて料理に添えたり、こ んな形のチョコレートをウェディングケ ーキに飾ったり、楽しい演出に使えそう な気がします。

 それぞれが大空に力強く飛翔する「龍」 と「鳳凰」のように。激しく変化する時 代に船出する今時のカップルを、こんな シンボルで応援してみるのはどうでしょうか。(2001年6月号より)