中国雑貨店 街角でおみやげ探し
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真夏のヒンヤリ枕
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写真・佐渡多真子 文・原口純子 |
「玉能長生、強身、鎮宅、避邪」。玉の工芸品を扱うおみやげもの屋のご主人が、その効能をスラスラとメモに書いてくれました。玉は、身につければ体ののぼせを冷まして健康増進に役立ち、しかも人間や家財を災いから守ると考えられているのです。 こんなふうに玉を尊ぶ中国古代からの伝統は、今でもふだんの生活のなかに生き続けていて、厚底靴をはいた今ふうの女の子が玉の腕輪をしていたり、茶髪の青年が首から玉の彫り物を下げていたり。また、健康増進のための玉の製品もいろいろあって、その一つがこの枕です。 おみやげもの屋のご主人の口上によれば、ふつうの枕の上にこれを置いて休めば、頭の熱がとれて、よく眠れ、高血圧の人なら血圧も下がる。気持ちが安らいで女性は美容にも効果がある。「西太后だって、玉枕を使ってたんだよ」と、ダメ押しのこの文句に魅かれ、試しについ買ってみました。 確かにこの枕、頭をのせればヒンヤリと気持ちが良く、数千年の昔から中国で続いてきた、玉で体を涼しくする知恵を実体験できる品物です。日本ではクール下着などハイテクを駆使した真夏用品が新発売されていますが、伝統の知恵でも立派に対抗できそう。真夏の外出には玉のアクセサリーを身につけ、戻ったら玉枕でお昼寝。今年はこれで夏を乗り切ろうと思います。(2001年7月号より) |