|
劉淇市長から「北京市栄誉市民」称号を授与された福原義春氏 |
資生堂名誉会長の福原義春氏がこのほど、北京市から「北京市栄誉市民」の称号を授与された。長年にわたり、同市との経済・文化交流の発展に貢献したことが、評価されたもの。
栄誉市民称号は、同市に貢献した外国人に与えられる最高位の称号で、これまでに全世界で19人が授与されている。日本人では、鈴木俊一・元東京都知事に続いて二人目、民間人では初めて。授与式は北京市内で行われ、劉淇市長から称号が授与された。
福原氏は、取締役外国部長に就任した1978年から、中国での事業展開を積極的に推進してきた。81年、北京市で資生堂化粧品の輸出販売をスタートし、83年には日本の化粧品メーカーとして初めて、同市への技術協力を実現させた。また、91年には、同市の経済技術開発区の第一号工場となる合弁会社「資生堂麗源化粧品有限公司」を設立、中国における事業展開を本格的に開始した。
資生堂麗源化粧品有限公司は、北京市を拠点に、中国全土に20の営業所をもつ中国を代表する化粧品会社へと成長した。同市からは、経済技術開発区の優良企業として表彰されている。
資生堂は現在、中国市場の急速な発展を有望視しており、マーケティングの拠点を北京と上海に置いて事業展開をしている。
資生堂麗源化粧品有限公司は、高価格帯の商品をカウンセリング販売しているが、高級輸入化粧品「クレ・ド・ポーボーテ」「SHISEIDO」を販売するとともに、中国専用化粧品「オプレ」の製造・販売を行っている。特に94年から販売している「オプレ」の人気は高く、現在78都市のデパート290店で販売を展開、販売店の90%でインストアシェアが一位となるなど、中国を代表する化粧品ブランドに成長している。
一方、上海には、合作会社「上海卓多姿中信化粧品有限公司」を九八年に設立、急増するミドル(中間所得者)層を対象に、中低価格帯の化粧品「Za」「ピュアマイルド・チャイナ」「セルフィット」「ホワイティア」などを製造・販売している。
2001年には、中医学の研究・開発を行う「資生堂(中国)研究開発中心有限公司」を設立し、中国国内外を対象とした化粧品の開発を進めている。
2001年、中国の化粧品市場規模は、前年比114%の約四百億元(約6000億円、資生堂推定)と大きく成長している。今後、拡大が見込まれる中国化粧品市場において、資生堂は2002年度、中国においてグループ全体で180億円(現地出荷金額・前年比127%)の売り上げを目指している。(2002年12月号より)
|