2007年6月、著名な漫才師・侯耀文が、突発性の心臓病で自宅で亡くなった。58歳だった。この10年、侯氏のように突然死にみまわれた芸能界や学術界の著名人は20人を上回る。中国科学院の調査によると、「社会の中堅」といわれる各界のエリートたちの平均寿命も年々若年下の傾向にあるという。
彼らの死を「過労死」と決めつける人もいるが、北京の郭麗君医学教授は、原因はそれほど単純なものではないと考えている。「長期にわたる過度の疲労の健康への被害は確かに大きいが、良くない生活習慣も命取りの原因の1つである」と郭教授は言う。生活条件が改善されるにつれ、人々は質素な食事によって維持される養生効果を無視してきた。高カロリーで栄養価の高すぎる食事が、高血圧や高脂血症、高血糖といった負担を中国人に背負わせることになった。
次第に多くの人が運転席に座り、車が徒歩に取って代わるようになった。心臓病の専門家胡大一医師は繰り返し指摘する。「健康を維持し、突然死を予防するには、毎日7000歩は歩くのがよい」。このほか、精神的なプレッシャーを解消する方法に乏しいことや生活環境の汚染も体質の衰えを引き起こす原因となっている。
著名人たちの悲劇と専門家たちの呼びかけは、35歳以上の人々に対し、「現在の社会発展の主体となる世代として、中堅になるにつれて体が弱ってゆくようなことがあってはならない」として、健康への警告を発している。
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