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バイパスが未来を拓く

 

2007年11月20日、北京動物園の上を南北に貫く道路が開通した。道路の全長は2.5キロ、そのうち約1.8キロが高架となっていて、制限時速は50キロ。道路建設のために、動物園の猿山と熊山および猛獣館は場所を移した。また、動物たちの生活を守るため、高架部分の大半は防音板で覆われており、まるで空中トンネルのようだ。

 

着々と拡大する道路網

 

この道路の開通により、二環路(環状2号線)と三環路が近くなり、交通の中枢である西直門一帯と西二環路の渋滞が緩和された。「北三環路から西直門まで、以前のように渋滞から抜け出すのに30分もかかることはなくなった」とうれしそうに話すのは、この「空中トンネル」を初めて利用したタクシードライバーの王建福さん。この一帯は市内でも特に渋滞がひどいエリアで、運転手にとって「難関」のひとつだったのだ。

 

この道路は、北京のバイパスのごく一部に過ぎない。北京のバイパス網は、環状の2、3、4、5、6環路および放射状の道路19本で形成される。これは市中心部の道路交通の骨組みであり、その総距離は全道路の8%を占めるにすぎないが、将来的には交通量の50%を担うとされている。

 

北京にはすでにバイパスが12本完成している。2010年には、市中心部のバイパスの総距離は280キロ、幹線道路は540キロに達する見込みだ。主要および補助幹線道路網の密度は1平方キロあたり1.5キロから1.85キロに高まる。そのときには、道路網全体の許容通行台数が2003年より40%以上も高まり、基本的に自動車約380万台の走行が可能になる。

 

地下にも伸びる道路網

 

地上だけでなく、地下も渋滞の解消に大きな役割をはたす。2007年12月8日、中関村西区に中国初の地下環状通路が開通した。全長1.9キロのこの通路は、自動車5000台を地下に誘導することで、人と車の流れの分離を実現させた。

 

このエリアで渋滞が深刻なのは、北四環路の一区間と中関村大街などの数本の道路。渋滞がもっともひどいのは、夕方5時半から6時半の間で、走行する自動車数は約9000台、軽車両は3000台以上にのぼる。歩行者数は10000人以上だ。

 

地下環状通路には出入り口が10カ所ある。制限時速は15キロ、3分たらずで一周できる。もし地上の道路を利用したら、交差点を通過するだけでも20分は必要だろう。

 

各種道路の建設と同時に、北京市は交差点の改良と路線バスターミナルの建設も進めている。こうすることで、一部の道路の許容通行台数を30%以上高めた。2003年以降、すでに2億元近くを投じて、1300以上の渋滞解消プロジェクトを実施してきた。また、交通ICカードやGPS、ETCなどを導入するなど、交通管理システムのインテリジェント化をはかり、交通渋滞をある程度緩和した。

 

北京はいま、渋滞を解消すべく、絶え間ない努力を続けている。(張春侠=文 劉世昭=写真)

 

人民中国インターネット版

 

 
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