高原=文 上海市政府新聞辦公室=写真提供
変貌とげた上海の30年
「2000年を見たければ西安へ、500年を見たければ北京へ、百年を見たければ上海へ」と言われる。
この百年来、上海はずっと中国現代変遷の縮図であった。最近の30年は上海は深圳に継いで中国の「改革・開放」の最前線に立ってきた。
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上海新天地の夜景 |
上海浦東国際空港を出発する、リニアモーターカー |
上海は中国の近代化への動きがもっとも早く、もっとも進んだ都市であった。1930年代には、水上運輸、外国貿易、金融、工業、情報センターが一体となった多機能経済センターとなり、同時に中国ひいてはアジアの文化センターの一つになっていた。
1949年、新中国が成立後、上海はまた工業基地となり、財政の支柱になっていた。
1990年浦東が開発・開放されて以後、上海は中国の「改革・開放」の最前線に立ち、中国経済の先導役という任を負ってきた。90年代以来、浦東の開発・開放を始めとしてできるだけ早く上海を国際金融センター、貿易センター、水上運輸センター、経済センターにする、つまりもう一度牽引役になってもらおうとするのである。
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上海のその時々の代表建築(東方明珠テレビ塔、金茂大廈、 上海環球金融センター)(左から右) | この30年の中でこの都市はまさに超高速の軌道に乗って、想像を絶する斬新な姿を呈した。
かつての「上海バンド」は、すでに買物、観光、レジャーが一体となった歩行者天国になっている。昔日の浦東の田舎町は開発されてビルが林立し、外国の商人が雲集する新しい町になった。浦江のバンドの両岸は中国系と外資系銀行や証券交易所が立ち並んだ金融市場になっている。古い交通施設は、すでに縦横に走る高架、陸上、地下交通網に取って代わられた。手狭な市民の住居は、新しい、ゆったりとした居間と、緑の庭園がある、管理システムが整った住宅団地に建て替えられた。いろいろな人材基地には数多くの専門家や学者、研究者が国の内外から集まっている。
上海はまた、多元的な文化の揺りかごである。20世紀の前半期、上海は常に中国でもっとも国際化した都市であり、また当時ニューヨークを除けば地球上でもっとも開放された都市であった。上海の外国人はもっとも多いときには15万人に達し、英、米、仏、独、日、露、インド、ポルトガル、イタリア、オーストリア、スペインなど58カ国の人々が住んでいた。人種の違いは文化の多様性と包容性をもたらし、上海はそれゆえに多元的文化の揺りかごとなったのである。
上海の都市の発展は人々を驚かせ、都市の風貌は人々を夢中にさせる。かねてから「近代西洋建築の博覧」の称があるバンドと、新しいビルが林立する浦東の陸家嘴金融貿易区が黄浦江を隔てて向き合ってその両岸の景色を美しく彩る。市内の豫園、竜華寺などの庭園や古跡は人を引きつける。上海観光祭、上海国際芸術祭、上海国際映画祭、上海F1、上海テニスマスターズカップなどの国際文化体育の交流活動は、多くてとても見尽くせない。
上海はきわめて近代的ではあるが、中国の伝統的な特色も備えた町である。バンドの古い西洋建築と浦東の近代的な摩天楼が互いに照り映えている。徐家匯の大教会の讃美歌の声と、玉仏寺の線香の煙の揺らぎ。街の通りのビルの下で麻雀に興じる年寄りと、横丁で遊ぶサッカー少年。小劇場の滬劇、滑稽劇と、大劇場の交響楽、バレー。老舗の上等な地元料理、「杏花楼」の広東料理と、「紅房子」のフランス料理。上海の古い町並みの茶館、衡山路のバーと、中国式と西洋式が混じり合った、それぞれがすばらしい。中国の古代の宇宙観「天円地方」をもとに造られた上海博物館の中の、ゴッホの『麦畑』とモネの『睡蓮』は、人を釘付けにする。ガラス張りで透き通ったような上海大劇院、世界三大テノール歌手、著名なバイオリニスト・パールマンやアンネ=ゾフィー・ムター、著名な指揮者小澤征爾、みんなこのステージに立った。実に魅力的な都である。
好評を博した「上海ウィーク」
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2008年第2回日本での「上海ウィーク」活動中の、2010年上海万博マスコット「海宝」と中国2010年上海万博日本イメージキャラクター福原愛さん |
2007年から毎年、上海は日本の東京で「すばらしい万博・魅力あふれる上海―日本・上海ウィーク」という宣伝活動を行っている。今年4月11日に開幕する第3回「上海ウィーク」の活動はもっと創意に満ちていて、日本で「上海万博ブーム」が起きるよう期待している。
上海が日本で行っている万博の宣伝活動の中で伝統的なものは、「万博号」電車写真展で、これは羽田空港から東京都内を結ぶ京急線の電車の中で開かれている。2009年の電車内写真展は上海の象徴的な景観が主な内容だが、同時に車内で上海と上海万博の宣伝も流す。上海と2010年の上海万博を広める、「走る展示館」にしようというわけである。車窓内に貼る数百枚の写真を通して、日本の乗客は上海という街のもつ無限の可能性を感じ取るであろう。ここには海上大橋など象徴的な建築物、もちろん普通の庶民の生活、レンコンのガムシロップ漬けや、上海蟹などの有名な美食を撮ったものもある。その後上海市の訪問団のトップが「上海ウィーク」活動の締めくくりとして、万博主題のフォーラムで、2010年の上海万博の最新の準備状況をお披露目する。中国駐日本国大使館の上層部や日本政府の高官、日本各界の著名人が出席して、共同で上海万博の話題を討論する。
このほか、東京の羽田空港で上海と上海万博の最新状況を反映した写真展を開催する。コンパニオンが空港ビルの中で万博と上海のパンフとアンケートを配り、アンケートに答えると上海万博の記念品がもらえ、また万博のマスコット―「海宝」のショーもある。
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