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荒地が豊穣の地に「北大荒」開拓の歴史

新時代に入った「北大荒」

「改革・開放」政策が始まってから、「北大荒」を開拓した人々は、また新たな時代を切り拓いた。「北大荒」を伝統的な農業から近代的な農業へと、また計画経済を社会主義市場経済へと転換させたのである。

三江平原にある「七星農場」の第43作業場の農機具センターには、馬力の大きなトラクターや水稲の田植機からコンバインやスプリンクラーまで、なんでもそろっている。

「北大荒」の開墾区では、農地の機械化率が93%に達している

この農場の于建華場長によると、ここではGPS(全地球測位システム)やGIS(地理情報システム)、RS(リモート・センシング)システムが導入されていて、農場の近代的な農機具には、位置を確定したり、自動的に誘導されたり、播種や施肥の量を決めたりする機能がついている。深耕、土起こし、整地、播種、水分調整、土固めなどの作業が一回で終えられるうえ、土地の高さや地力、湿度によって、自動的に播種と施肥の量を変えることができる、という。

「854農場」で働いている崔永竜さんは、世界でも先進的な、種まきから収穫までの農機具を40台以上保有しており、農機具の博覧会が開けるくらいだ。彼は自分の大馬力のトラクターにGPSを取り付けており、こうした知能化された農機具のおかげで、農場の2万ムーの耕地の生産活動のすべてを、わずか7人の労働者でこなす。

遠くで作業している大きな農機具を指差しながら崔さんは「今年は気候が異常で、災害も多かった。こうした機械がなければ、増産増収どころか、種まきも無理だったろう」と言った。

彼が今年栽培した3000ムーの大麦は、春に2日しか続かなかった好天の日に急いで植えつけたものだった。夏には干ばつが一カ月以上続き、収穫の時期になって雨が降り始めた。そこで雨季に入る前、2日ですべて収穫し、倉庫に入れた。続いて2日間の好天の日に、深耕と土起こしを済ませ、土を掘りあげて台地状の畑をつくり、来年の播種の準備を整えた。

収穫の状況について崔さんは「大麦は1ムー当たり275キロ。現地取引で北大荒麦芽公司に直接売った。現在の市場での買取価格はキロ当たり1.6元だから、収入は30万元にとどまらない」と言う。

かつての知識青年たちは、都市へ帰ってから30数年後に再び第2の故郷である「北大荒」に戻ってきて、農場の人たちと交歓した

「852農場」の周玉芝さんは、両親が山東省から来た早くからの入植者である。1985年、彼女は幼馴染みの張秀国さんと結婚したが、間もなく、農場では生産高リンク請負制が始まった。そのときの食糧の価格は安く、耕地もなかなか請け負わせてもらえなかったが、彼女は歯を食いしばって1000ムーを請け負い、大豆の栽培を始めた。

彼女は科学的な栽培方法を試して、畑の管理を実行した。その結果、収穫は好調で、秋には大豆を売って5万元を稼いだ。生産高リンク請負制の素晴らしさを知った彼女は、2004年には5100ムーの耕地を請け負った。努力の甲斐あって2007年の秋には、大豆660トン、トウモロコシ890トン、小豆100トンを収穫した。

数年にわたる模索の末、周さんは大豆の新しい科学的な栽培方法を創り出した。それは畝に植える苗の間隔を広めたり、苗を早く成長・成熟させたり、苗の高さを抑えて倒伏を防いだりすることなどだ。彼女が栽培した大豆の1ムー当たりの生産量は、200キロから225キロへと絶えず増え続けている。

周さんと同じように「北大荒」を開拓した人々の子どもたちは、結婚する際、九割は、古くからの開拓者の子どもを相手に選ぶ。そしてその子どもたちは、「80後」(1980年代生まれ)「90後」(90年代生まれ)の若者たちだが、大多数が父親たちのように、「北大荒」の黒土の大地を耕している。

彼らは、刻苦奮闘する精神を忘れないうえに、先進的な技術と科学的方法を採用し、「北大荒」の食糧生産量を、1949年の1万1000トンから2008年の1420万トンに増やし、「北大荒」を「北大倉」に変えた。

またこの10年近くで、北大荒グループのブランド製品はますます多くなってきている。「北大荒」ブランドの胚芽米、有機米、糠油などは全国に親しまれている。

北大荒グループの一員である「完達山」乳業は中国乳製品業界の6位にランクされている。また「九三油脂」の天然ビタミンEとイソフラボンなど大豆から開発された製品は、世界の先進レベルに達している。2002年、北大荒グループの株はA株に上場され、最近、短期社債も発行した。これによって農場の株式化への改革と資本市場からの融資に向けて、大きな一歩を踏み出したのである。

 

人民中国インターネット版 2009年6月2日

 

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