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内蒙古の「グリーントライアングル」─フホホト、パオトウ、オルドスを行く

 

砂柳―砂漠の中の宝物

内蒙古の中西部では、砂漠対策は永遠のテーマである。内蒙古全域にパダインジャラン、トンガリ、ウランブフ、クブチ、パオンオンドルの五大砂漠とホルチン、ムウスなどの砂地が分布している。このため内蒙古では砂漠を治め、環境を改善することに無数の人が努力をしてきた。日本の遠山正瑛教授が内蒙古の砂漠の緑化に身を投じた感動の物語は、今なお人々に語り継がれている。

オルドスのある農家が砂柳を束ねているところ(新華社)

砂丘の移動を防止するためつくられた人工の格子状砂止め(写真・白雲飛)

オルドス市のタラド旗の一部の地区はクブチ砂漠に属し、砂丘が多く、起伏がある。新中国が成立してから、植樹造林がこの地の農民の大切な仕事の一つであった。ここ数年当地の農民は砂漠と戦う中で、一種の新しい増収方法——砂柳を見つけた。

砂柳は、乾燥、半乾燥地帯に成長する植物で、内蒙古、河北および甘粛などの北方地区に広く分布している。耐乾という特性があり、成長も早いため、砂柳はこれまでも砂漠対策にまず選ばれてきた樹木の一つである。他にも砂柳には一種の特殊な習性がある。というのは三~五年ごとに一回、切り株まで刈り取るのである。そうしないと枯死する。刈り取った後の砂柳は生長力がもっと旺盛になる。

呉永強さん
前は、砂漠周辺で生活していた農民は砂柳に気もとめず、ただ食事の煮炊きに砂柳を燃していた。新世紀になって砂柳の経済価値がようやく発見された。砂柳から製紙用のパルプが取れ、紙や板材をつくることができ、経済価値がある。タラド旗中和西鎮元鎮長の陳挨斌さんは近年来砂柳資源の開発に力を注いでいる。「私はタラド旗に生活し、ここには十数万ムーの砂漠があります。砂漠を治められなければ、農地が侵蝕されます。私は何十年も前から村民たちを引き連れて砂漠に砂柳を植えてきたけど、そのころはまだ砂柳で造紙ができるとは知りませんでした」2000年陳挨斌さんは退職してから入った当地の東達蒙古王生態有限公司で総経理となったが、この会社は年間50万トンの砂柳製紙を主に生産している。この後、陳挨斌さんはまた村民たちを連れて広く砂柳を植えている。砂柳を植えることによって経済効果が上がる上に、砂漠の環境を改善することができるので、オルドス市の政府も農家に砂柳を砂漠に植えることを積極的に奨励している。植えた人が受益するという原則を堅持するほか、政府は砂柳を植える農家に対して積極性を高めることを目的に1ムーあたり80元補填している。

政府と企業の促進のもとで、東達蒙古王生態有限公司のわずか一企業が周辺の5万戸の農民に砂柳を植樹するよう働きかけ、一年で砂柳が四十数万ムー植えられた。

砂柳を植えることは農民たちにとっても、一種の新しい収入源になる。タラド旗の王愛召鎮の農民呉永強さんは200ムーの砂柳を植えた。砂柳の刈り取り期は毎年12月から来年の3月で、農閑期に当たるので、日常の農業生産に影響しない。現在、彼は一年で60ムー以上を刈り取って、毎年一万元の増収を得ている。加えて植樹する四十ムー以上のトウモロコシで彼の一家は年収が4万元に達する。生活はすでに結構良くなっている。

タラド旗林業局の呉向東副局長の紹介では、現在全旗の砂柳面積は60万ムー以上あり、毎年農民に直接3億元以上の収入をもたらしている。砂柳の植樹は農民の収入を増やし、当地の生態環境をも改善する。まさに一挙両得である。

この三地区には、タラド旗のように砂柳を植えているところがまだたくさんある。砂柳の他にもサジー(沙棘)、ムレスズメ(檸条)などその他の沙生植物で経済開発を進めている例も少なくない。このグリーントライアングル地区の「砂漠産業」が日増しに当地の新興産業になりつつある。

 

人民中国インターネット版 2009年8月

 

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