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保存と建設で変貌した天津

 

都市環境の整備も進む

美しい環境は、都市の近代化と国際化のレベルを評価する重要なメルクマールである。ここ数年、天津市では、大規模な環境整備が行われた。それはまず鉄道沿線や高速道路沿い、街路沿いからスタートし、累計で218万平米の違法建築を取り壊し、3479棟のビルを修繕した。また1970年代から80年代までの建物525棟には、外壁に保温パネルを取り付け、平らな屋根をマンサード屋根(傾斜した屋根)に変えた。こうして、街路もきれいになり、居住環境も快適になった。

建設中の南翠屏公園

ビルを改造したり、外観を塗りなおしたりする場合には、街路沿いの他の建物や周辺の環境と調和を保つようにしなければならない。また道路にはガードレールなどを設置し、新聞スタンドやゴミ箱、ベンチなどの公共施設は、規則通りに設置しなければならない。このようにして天津市は全市の改造を行なった。

天津市が新しくつくったり、改造したりした緑地の面積は約75平方キロ、その中には9カ所の公園と30の大型緑地が含まれている。かつてはゴミ捨て場だった南翠屏公園は、埋めたてたうえで湖を掘り、その土で山を築き、天津唯一の山がある公園となった。かつて発電所だったところは河東公園となり、江南の水郷を髣髴させる景色となっている。

海河沿いの重点景観区の模型

とはいえ、天津市の環境問題には、少なからぬ問題が依然、解決されずに残っているのも事実である。環境整備工事指揮部の王主任は「例えば、建設に管理がついて行けない、道路沿いに住む住民の環境はまだ根本的に変わっていない、都市部と農村部の接点の環境が悪い……などに問題があり、これを今後の仕事の重点にしたい」と言っている。

第三の発展の極に

天津市内を流れる海河の川辺に、とくに目を引く近代的な建物がある。「天津市規劃(都市計画)展覧館」である。館内は16の展示ブースに分かれ、展覧面積は一万平米。ハイテクなどを使った展示プレートや写真、模型を大量に使って、天津の歴史と将来の計画が簡単にわかるようになっている。

将来の天津市の規模は、現在の3倍になる見込みだ。天津市文化センターや海河両岸、「浜海新区」の設計計画の模型が並んでいる。展示ホールは観客でいっぱい。天津で育ち、ずっと天津で暮らしてきた趙景豊さん(86歳)は、「天津で72年生活してきたが、天津の未来がこんなに素晴らしいものになるなんて、考えたこともなかった」と言った。

天津市の都市計画を設計する研究院の周長林主任は、天津市が深圳や上海の浦東に次ぐ中国経済発展の「第三の極」として公認されたことを指摘し、「天津は、中国の新しい発展の里程標になるだろう」と述べた。

マンサード屋根に建てかえられた住宅群

中国の「改革・開放」は1980年代にまず深圳で始まり、国際的な大企業の現地組み立てや加工を主として、珠江デルタの発展をもたらした。90年代に勃興した上海の浦東は、粗加工から精密産業へ飛躍することによって長江デルタの発展をもたらした。今日の天津は、環渤海湾地区の発展の主力となり、深圳とも上海とも異なる新機軸を打ち出すところに特色がある、という。

天津市はまた「二つの都市エリアと二つの港」と「双方向の発展」を、未開発空間の発展戦略の中心に据えている。「二つの都市エリア」とは、天津市の「中心区」と「浜海新区核心区」のことで、天津市の機能の核心である。「二つの港」とは、天津の「北港区」と「南港区」のことで、都市の発展にとって戦略的に重要である。

天津市の「中心区」と「浜海新区核心区」は20キロ離れているが、ここに天津が将来、発展する空間が残っているというのである。

 

人民中国インターネット版 2009年11月

 

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