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物々交換がブームに

 

公益「換客」でみなを幸せに

「換客」はネット上に限られるだけでなく、社区(中国のコミュニティー)の住民もみな「換客」となることができる。北京市大興区金地格林住宅区の責任者、馬さんは、「住民たちの願いにより、季節ごとに西広場で物々交換会を開いています。住民たちは自分の家の不用品を持ち出し、交換し、それとともにお互いの理解を深め、それは素晴らしいことです」という。また一部のコミュニティーでは物々交換ステーションを設けている。住民は不用品を持ち寄り、ここに登記し、保管してもらい、物々交換にやってきたほかの住民の品と交換してもらう。住民たちのこうした参与は、自分にとって必要な品を得るだけでなく、自分の持っているものを差し出し、他人を助けたい、という希望でもある。

河南省鄭州市の小中学生の夏休み物々交換活動で、孫に付き添って地べたに店を広げるおじいさん(新華社)

「2011広東愛心換客イベント」シリーズでは「貧困地区の子どもたちに1元を贈り、愛の心を贈り、栄養を贈る」イベントが行われた。この活動は、広州の子どもたちが自分で作った手芸品を「愛の種子」とし、ネットまたはコミュニティーで物々交換する、という内容である。物々交換される品は二種類に分かれ、一つは直接、貧困地区の子どもたちに渡され、彼らの生活上の必要を満たすもの。もうひとつは、チャリティー販売によって寄付金を集め、中国の扶貧基金会を通し、貧困地区の子どもたちに贈るものである。  2011年6月12日、正式なイベントの前に、広州市の小学生40人あまりと一部分の市民たちは、広州少年児童図書館海珠分館に集まって特別な試行イベントを行い、その場で各種の手芸品を制作した。広州市方園実験小学校4年生、田可欣ちゃんは、指の傷あとを指しながら「私の『愛の種子』は、空き缶で作った小さな灯籠です。このために私はお父さんのビール缶も取っておきました。灯籠の縁取りがとても難しくて、何度も試して指が傷だらけになってしまいました。でも、雲南省の貧困地区の友達のために、きれいな手袋と交換できたら、ケガをしても平気です。私は子どもの『愛心換客』だから!」という。

生活に灯をともす

「換客」の一人、王麟晧さんは、6月1日の「児童の日」の当日、「楽しい思い出」という交換物を掲示板に書き込んだ。この風変わりな物々交換願いによって、王さんは一躍有名になり、一度は物々交換サイト「易物ネット」の取引者ランキングの第一位になった。「スーパーマリオは好きですか? ドラえもんは好きですか? 子ども時代の思い出は好きですか? ならば、ぜひ思い出を交換して一緒に楽しもう!」この書き込みへのページビューは数千を超え、多くのユーザーが彼の「思い出」とキャンディや玩具を取り替えた。

「換客」は絶え間なく増え、専門サイトも雨後のタケノコのように増えている。「換客中国」「淘有ネット」「易物ネット」など、多くが物々交換のプラットホームとなっている

「換客中国ネット」で、「衝動悪魔」というハンドルネームの「換客」は、自分が交換できるものは、「使い走りや雑事をする、ものを届ける、調査すること」であるとした。そして自己紹介に「自分は湖南省長沙市に住み、親切で、自家用車あり。ちょっとした労働力、ちょっとしたアイデア、使い走りや雑事をする、ものを届ける、調査するなど、都合が悪く、忙しくて時間がないなら、私に任せてください。もし、別の土地の物々交換の相手が信用できないなら、私が代わりに見に行きます」と綴った。  このほか、智慧を交換したり、専門技術を交換する場合もある。ある英語教師とあるピアノ教師がお互いに英語とピアノを教えあう。交換するものは、現実の物品ではなく、願望や体験や技能、そして小さな思いやりである。現代の中国人は物質的には満たされても、詩心と温かい気持が不足している。アイデアに富んだ「換客」は、人々の心の底にある熱い思いを湧きあがらせることだろう。

 

人民中国インターネット版

 

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