現在位置: 社会
美酒の水と女紅軍の記憶──貴州省習水県を尋ねて(上)

丘桓興 金田直次郎 =文 馮進=写真

赤水河は「美酒河」と呼ばれ、そのほとりで造られた茅台酒や郎酒は世界に名高い銘酒だ。赤水河周辺にある土城鎮は悠久の歴史を誇り、また1935年、長征時の紅軍による「四渡赤水」や優雅で歴史ある「古鎮」の情緒、そして独自の塩文化や伝統的な船団の習慣など、歴史的な魅力が各地の観光客を引き付けている。記者も習水県党委員会宣伝部の葉小林部長の案内で、「古鎮」の風情を味わった。

山と河のそばで、美しい自然に恵まれている土城鎮

赤水河は長さ523㌔にも及ぶ長江の支流のひとつであり、赤い「丹霞」地形を突き抜けるように流れるため、河の水も下流へ流れていくうちに、澄みきった青緑色の水がだんだん赤みを帯びるようになってくる。それゆえ赤水河という名前が付いた。

赤水河は「美酒河」でもある。天下にその名を馳せる茅台酒、郎酒、習酒などはすべて赤水河のほとりで造られている。旧暦9月9日の重陽節になると、気温が涼しくなり、河の水はいっそう青く澄んで見える。地元で栽培されている酒の主原料で、粒が丸く、皮が薄くて柔らかいコウリャンが収穫された後、地元ならではの土壌や気候を加味して、大小さまざまな酒造工場はおいしい酒の醸造を始める。われわれを乗せた車が川沿いの道路を走ると、漂ってくる酒の香りに思わず陶酔。赤水河はまさに名実相伴う「美酒河」だ。

土城の足元を流れる赤水河。紅軍が初めて赤水河を渡った場所

美酒河の水源を保護するため、周恩来は総理を務めていた頃、茅台鎮の位置する上流地域での化学工場の建設を禁止し、樹木や竹の植林を奨励し、「美酒河」の香りが代々に受け継がれるように指示したという。

 

1   2   3   >>  

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850