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半年に1度の親子活動日に先生の話を真剣に聞く哲君(中央)(写真・馮進) |
「一人っ子政策」実施後の1980年代に生まれた人々を「80後」世代というが、その世代が今では「一人っ子第二世代」のパパ、ママに次々に「昇級」している。父親として、母親としての苦労を身をもって体験しているのと同時に、子どもと一緒に「成長の苦しみ」を味わっている。
筆者も2009年に息子・哲を出産し、ワーキングマザーとなり、仕事と育児の両立が悩みの種。義理の親に手伝ってもらいながら、幼稚園に上げるまでの苦労も並大抵ではなかったが、ホッとひと息つくいとまもなく、次から次に難題が押し寄せてくる。
入園間もなく、ある親が英語科を開設すべきだと提案した。理由は多くの幼稚園が開設しているからということだった。何度提案してもらちが明かなかったため、ネット上で「請願署名運動」を始め、筆者の子どものクラス32人のうち、一人二人の親はこの年齢で英語を学ばせるのは早過ぎる、子どもは伸び伸び育てた方が良いと主張したが、大多数の圧力に抗しきれず、「請願書」に署名し、1カ月後、英語科が発足した。
また入園後直ぐに発見したのは、多くの園児が放課後、大急ぎで習い事に通っていることだった。息子と同級生の梁君のママは、1年間も英語と思考法の課外教室に通わせ、同時にドラムも習わせているので周5日は習い事をしていると話してくれた。
最初のころは釈然としなかった筆者も、次第に多くの園児がさまざまな習い事をしていることに気が付いた。ダンス、音楽、美術、英語、ピアノ……とさまざまだ。週末か放課後、子どもを連れた親が各種の習い事教室を「はしご」して見て歩く。子どもを習い事に行かせていない親は、少数派といえるだろう。
筆者も落ち着かず、哲を連れていくつかの習い事教室をのぞいてみた。しばらくたったある週末の朝、哲が目を大きく見開いて、筆者に語りかけた。「ママ、今日はもう教室に行かなくてもいいよ」。それからいろいろあって、結局、哲は外国人教師が教える英語教室に通うことになった。1年に1万5000元(約18万円)の授業料はもったいないな、と思ったが、筆者はひと安心したものだった。哲は貴重な週末の半日を取り上げられてしまったが……。
哲のパパは満4歳になったらピアノを習わせたいと思っている。「一人っ子第二世代」はみんなに可愛がられていると言われるが、彼らがかわいそうだとも思う。いろいろな習い事はどれも彼らが望んでいることではないかもしれない。彼らはただ楽しく子ども時代を過ごしたいと思っているだけに違いない。しかし、激しい競争社会を生きて行かなければならない彼らのことを思うと、世間の流行を無視するわけにもいかないのではなかろうか。
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編集部記者・張雪
1980年吉林省長春生まれ。廈門(アモイ)大学中国文学部卒。入社9年目。主にニュース原稿を執筆。観劇、喫茶店めぐりが趣味だったが、現在は子どもと一緒に成長するのが楽しみ。 |
人民中国インターネット版 2013年3月21日
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