「復興号」 1日の仕事を終えるとどこに行く?

2019-01-29 14:36:18

 

「復興号」に乗り、「これほどの時速で安定して運行し、1日走行した後はどこに行くのか」が気になる人は多いのではないだろうか。記者はこのほど、中国鉄道済南局集団有限公司済南東動車所を訪れ、「復興号」の「ナイトライフ」を探った。

業務を開始したばかりの済南東動車所は山東省最大の動車所で、済青高速鉄道、石済旅客専用線などの済南地区発着車両、路線を跨ぐ一部高速車両の点検メンテナンスを担当する。多くの「復興号」がその日の仕事を終えると、ここで360度からの全面的な「SPA」を受ける。

済南東動車所の李先偉所長によると、復興号の「健康」を維持するには多くの人が必要で、ロング版車両(16両編成)の点検時は車両の下に4人、上に2人、操縦室に1人必要。標準車両(8両編成)は車両の下に2人、上に2人、操縦室に1人必要だという。

1日の任務を終えた復興号が動車所に戻って最初にすることは「入浴」である。ここには全自動洗浄機があり、車庫に入った復興号を消毒洗浄する。暖かい時は全自動洗浄機から洗車用の洗剤を噴射して洗浄する。寒い時は洗浄機が室外にあるため、防寒を考慮し、高速鉄道が「風邪」を引かないように気温が零下の時は室内で洗車し、「SPAの専門家」が「背中を流す」。

李先偉氏によると、復興号は点検車庫に入る前に踏面とパンタグラフを検査する。検査に使用する赤外線検査システムはCTと同じように、車輪踏面と上部の高圧パンタグラフを全面的に検査し、観測データを専門スタッフのパソコンに転送して診断する。検査を終えると、復興号は点検車両で全面的な「身体検査」を行う。

車庫では専門「医師」が復興号を全面的に検査し、車体のほか、「大脳」であるATPシステムも点検する。済南東動車所の「ATP」分析作業エリア責任者の王維娜氏は、「高速鉄道の車載ATPシステムはブラックボックスのようなもので、制御システム、地上システム、車載システムなどで構成され、高速鉄道の運行状況をリアルタイムで記録して制御担当者に送る。運転制御システムは前方の軌道情報をもとに車両の安全な運行を指揮する」と明かした。

復興号が「帰宅」すると、王維娜氏と同僚たちは忙しくなる。彼女たちは高速列車の操縦室と車両に入り、車両の下に潜り込んで全車両のATPシステムを検査する。

雪が降っている時は車両の底部と両側に雪がつき、情報の送受信を行う車載システムのトランスポンダが雪に覆われ、「応答不能」な状態になっているため、高速列車は目の不自由な人と同じように前方の軌道情報を把握できず、正常に運行できない。王維娜氏は、「この時、私たちは車両の下の溝に入って熱湯と専用のスコップで雪を除去し、トランスポンダが正常に作動するようにする」と話した。

システムの点検を終えると、列車は電源を切って台車点検作業員が走行システム、牽引装置、ブレーキなどを点検する。車内点検作業員は列車の座席、湯沸かし器、空調、トイレ、テレビ放送システムなどを検査する。

李先偉氏は、復興号は硬貨が倒れず、硬貨とペンで窓際に「ピラミッド」が作れるほど安定しており、これにエンジニアのメンテナンスは欠かせないと話す。復興号はこのような「ナイトライフ」を送り、明るくなった頃に再び家を出て祖国の各地に向かう。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019129

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