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延長線上の新たな景観 奥林匹克公園

 

明代に形成された中軸線は鼓楼・鐘楼が終着点だが、いま、これを北に延ばした線上に新しい景観が建設されている。丘があり水があり、たくさんの巨大建築物もある北京奥林匹克(オリンピック)公園だ。緑豊かなこのエリアが、新しい北京のシンボルになることは間違いないだろう。

 

中軸線を北へ延長

 

北四環路の北辰橋から北へ向かうと、オリンピック公園の敷地内に入る。この公園は総面積1135ヘクタールで、三つのエリアに分かれる。

 

 

南エリア(114ヘクタール)にはオリンピックの競技施設が集中する。国家体育場「鳥巣」や国家水泳センター「水立方」、国家体育館などはみな、このエリアにある。

 

中央エリア(271ヘクタール)は公園の中心区で、オリンピック施設の一部と関連施設が建設される予定。そして北エリア(680ヘクタール)はオリンピック森林公園だ。

 

「鳥巣」や「水立方」などの競技施設はすでにほぼ完成し、オリンピック公園の輪郭は出来上がっている。国内外の観客たちの訪れを待っている状態だ。

 

公園内には南北を貫く長さ2.3キロの歩道があり、南端は中軸線とつながっている。北は木々が茂る人工の丘。この構造はもともとの中軸線の考案になぞらえたものだ。

 

オリンピック公園はオリンピック開催の中心エリアとなるため、設計プランのコンペでは交通の便がよい、環境にやさしい、オリンピック後も利用可能などといった原則が設けられた。

 

なかでも一番重視されたのは、空間構造において、北京という都市の特色を体現し、中軸線の意義を強調すること。このため、オリンピック公園は設計当初から中軸線の延長線上に置かれた。

 

中軸線を北へ延長させたエリアにはオリンピック公園が建設されている

オリンピック公園は延長線上の両側にバランスよく配置されている

オリンピック公園で、コンクリートを流し込む作業をする労働者

 

元代以来、北京城は中軸線を中心に建設され、明代には外城が建築され、7.8キロメートルの中軸線が定まった。そして今、オリンピック公園の建設計画にも中軸線の理念を導入。北京城の文化の新しい延長でもある。

 

延長線上に建物はない

 

オリンピック公園の設計プランは、18の国の80プランの中から選ばれた。中軸線の延長にある歩道の両側には、伝説に基づく古代の理想の皇帝・三皇五帝の時代から清の時代までの代表的な建築物を建造する予定だ。

 

オリンピック公園の設計プランを決める際、専門家たちの頭を悩ませたのは、公園の中軸線上にどのような建物を建てるかということだった。北京城の中軸線は、永定門、紫禁城、鼓楼・鐘楼など実体のある建物からなっている。

 

そこである設計士は、二つの塔が並んでいるような超高層ビルを建ててはどうかと提案し、一時は少なからぬ人が賛成した。しかし多くの専門家は、高層ビルは北京のもともとの風貌に反するとして反対した。最終的には、中軸線の延長線上には建物を建てないことに決定。そして、北端に人工の丘を造り、中軸線が最終的に自然につながるようにした。

 

この考えによって、中国古代の造園思想も中軸線の改築に導入され、巨大な人工の湖をオリンピック公園の東側の運河につなげ、公園内の水系を構成することになった。

 

この構造は、北京のもともとの中軸線とその西側にある什刹海の水系の構造と互いに引き立て合い、東洋文化に見られる自然と人間が調和して共存する理念を表している。

 

このほか、オリンピック公園にはたくさんの緑を植え、「グリーンオリンピック」の理念を表す計画だ。選手たちが選手村から会場に通う交通手段は、新型の環境保護バス。2008年のオリンピック開催の際には、緑あふれるオリンピック公園がお目見えすることだろう。 (王浩 沈暁寧 高原=文、魯忠民 馮進 楊振生=写真)

 

人民中国インタ-ネット版

 

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