サマーダボス会議の焦点は中国開放のチャンス

 

世界経済フォーラム(WEF)ニューチャンピオン年次総会2018(サマーダボス会議)が1820日の日程で、天津梅江エキシビションセンターで開かれている。「第4次産業革命におけるイノベーション型社会を築く」をテーマに、100余りの国と地域から各界の代表2000人余りが出席している。人民日報海外版が伝えた。

今年はちょうど中国の改革開放40周年にあたり、中国は新たな、さらに高水準の対外開放措置を打ち出した。中国の対外開放のチャンスをどう掴むかが、国内外の出席者の注目の焦点となっている。

■新たな開放措置に同意

ネガティブリストのたゆまぬ短縮化から市場参入条件の大幅な緩和まで、知的財産権保護の強化から自発的な輸入拡大まで……改革開放40年にあたり、出席者は中国の新たな対外開放措置に強く同意している。

欧州委員会幹部のヴァルディスドンブロウスキス氏は「欧州は中国側の市場開放措置とその姿勢を大変歓迎する。様々なセクターに及ぶこうした開放は、市場競争を促進し、市場の発展を加速することができ、経済成長自体に対しても大きな推進力となる」と指摘する。

「過去1年半の中国金融市場の開放はかつてなかったものだ」と、JPモルガンチェース(中国)の梁治文CEOは指摘する。ブラックロックグループ中国株投資主管の朱悦氏によると、ブラックロックは中国市場を非常に重視しており、中国の開放がさらに進み外国人投資家の参入が増えることも期待している。

中国発展研究基金会の劉世錦副理事長は「今年4月にボアオアジアフォーラムで発表された開放措置には一里塚的意義がある。開放は開放のための開放ではなく、金融分野の問題を解決するためであり、突出した問題の誘導したものだ」と指摘する。「中国は大きなエコノミーで内部発展は不均衡だが、良いヘッジ効果を形成できる。従って、外的衝撃の吸収能力が比較的高い。中国の対外開放、特に金融の開放は、必要なときには少し歩幅を広げるなど適切な足取りを要する。中国経済は全体的安定性が比較的高い。中国は高水準の対外開放システムの構築に立脚する必要があり、歩みを止めてはならない。国内的には、質の高い市場システムの形成に尽力する必要がある」。

■ウィンウィンのビジネスチャンスの増加に期待

今年のサマーダボス会議で、各国経済界は中国の将来の発展の見通しと開放のビジネスチャンスに大きな期待を寄せている。

日本貿易振興機構(ジェトロ)の赤星康副理事長は、改革開放は中国に多大な変化をもたらしたと指摘する。「もし北京、上海、深センといった活力に満ちた中国の都市に3カ月足を運ばなければ、私は発展のテンポについて行けないだろう」。

「中日の経済貿易協力にも良い将来性がある。1つには、中国には巨大な市場があり、日本と一衣帯水の隣国だ。もう1つには、多くの日本企業が中国の大都市で業務布陣がある。中国の対外開放が深まるにつれ、今後両国はさらに深いレベルで協力を強化できる。例えば中国経済のイノベーションによって、在中日本企業は新技術のスピルオーバー効果を享受できる」。赤星氏は「日本経済は高齢化に大変苦しんでおり、中国も同様の圧力に直面している。今後中日には教育、モバイル決済、ウェアラブル設備、遠隔医療など多くの分野で大きな協力の潜在力がある」と語る。

香港特別行政区の陳茂波財政局長によると、インフラ施設の連結が進むに伴い、粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)の「1時間」生活圏が形成されつつある。粤港澳大湾区には国際金融センターも他をリードする科学技術産業や先進的製造業もあり、国際化水準が高い。「外国からすると、粤港澳大湾区は魅力ある市場だ。大陸部にとっても、国際市場との統合を進める良い連結点だ」。

 

「人民網日本語版」2018920

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