作品に合肥を映した女性作家

李鴻章が生まれた李家は大家族で、家族や親戚にも、有名人がたくさんいる。『半生縁』『傾城之恋』『金鎖記』などの作品で知られる近代の女性作家・張愛玲(192095年)が李鴻章のひ孫であることはよく知られている。張愛玲の母は幼少時代を合肥で過ごしたため、家のお手伝いさんたちも実家から来た合肥の人が多かった。子ども時代の張愛玲は、両親の不仲のせいで、愛に飢え、誰からも注目されない孤独の中にいた。そんな彼女に優しく寄り添い、いたわったのが、合肥の田舎から来たお手伝いさんの阿干だった。張愛玲は当時のモダンな女性たちと同じく、コーヒーを飲み、きれいなスイーツを好んだが、脂っこくて柔らかい合肥の食べ物も生涯愛した。阿干にしか作れない料理――もち米団子が一家の大好物だったという。

張愛玲の文学作品における人物の原型の多くは合肥の人だ。彼女は合肥の友人と市民生活のさまざまな面について語りあっては、それを積極的に作品に取り入れていった。合肥の庶民文化は、張愛玲のインスピレーションの原点と創作の原動力だったのである。

 

 

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850