合肥神筆生物科技有限公司の実験室では、SF映画『アバター』に登場する神秘的なシーンが現実のものとなっている。テクノロジーを駆使し、ホタルなどの生物の発光遺伝子を植物細胞に植えることで、夜間に発光する植物を生み出したのだ。
同社は安徽省合肥市の中国科学技術大学(科大)シリコンバレーで生まれたテクノロジー型の中小企業で、「発光するヒマワリ」などのシリーズ製品をまもなく市場に投入する。
2022年6月に正式に整備が始まった科大シリコンバレーはイノベーションの成果の実用化、イノベーション企業のインキュベーション、イノベーション産業の促進、イノベーションのエコシステムの最適化に焦点を当て、中国科学技術大学をはじめとする高等教育機関の世界中の卒業生を懸け橋として世界のイノベーションの力を結集させることを狙いとしている。
「23年末に科大シリコンバレーに入居した際の創業チームはわずか3人でしたが、1年も経たないうちに当社は十数人の研究スタッフを抱え、1000平方㍍以上の研究開発実験室を持つまでに成長しました」と語る李仁漢さんによると、科大シリコンバレーは企業の資金調達や政策とのマッチング、人材募集、さらには企業の応用シーン探しまでサポートしてくれたという。
今年9月末までに、科大シリコンバレー片区には新たに1725社のテクノロジー型企業が入居し、累計6000のテクノロジー型企業と科学技術イノベーションサービス機関、6万人を超えるさまざまなイノベーション・起業人材、200余りの各種ファンドが集まっており、全体の規模は2400億元を上回っている。
その他、科大シリコンバレーは米国のシリコンバレー、日本の東京、英国のケンブリッジ、フランスのリヨンなどでイノベーションセンターを設け、世界のイノベーションリソースを結びつけており、安徽省におけるイノベーション発展の輝かしいシンボルとなっている。