2018年中日共同世論調査

中国側は中日関係の重要性を認識、協力の強化に期待

 

中国外文局(中国国際出版集団)と日本の民間団体「言論NPO」が共同で実施した第14回東京-北京フォーラム「中日関係世論調査」の結果が1011日、東京で発表された。それによると、中国人回答者の中日関係の発展と日本への感情の変化は、改善されつつある最近の両国関係の良い流れとおおむね一致した。

 

中国側の調査結果について説明している中国外文局の高岸明副局長(右2)(写真・于文)

 

中国側は中日関係は改善と考え、将来の中日関係について楽観の傾向。過去1年の中日関係の発展について、「良くなった」(「どちらかといえば良くなった」を含む)と答えた中国人が昨年の14.7%から30.2%に増え、「悪くなった」(「どちらかといえば悪くなった」を含む)は同44.5%から24.1%へと大幅に減った。将来の中日関係について、「良くなっていく」(「どちらかといえば良くなっていく」を含む)が昨年の28.8%から38.2%に増えている。一方で、両国関係が「悪くなっていく」(「どちらかといえば悪くなっていく」を含む)は昨年の29.7%から18.2%となり、10ポイント以上減った。 

中国側の対日感情が改善し、日本の印象も2014年から引き続き改善の流れ。中国人の40%が日本に対する感情は「好転した」(「どちらかといえば好転した」を含む)と考えており、昨年の20.4%から倍近く増えた。感情が「悪化した」(「どちらかといえば悪化した」を含む)は、昨年の49.7%から今年は26.4%に減少した。対日感情の改善の流れは2014年から現在まで続いており、また大幅にアップしている。 

中日関係の重要性を認識する中国人が増え、関係強化を期待。中国人の中日両国関係への重視度が高まっている。中国にとって中日関係が「重要」(「どちらかといえば重要」を含む)と答えたのは74%で、昨年(68.7%)から5.3ポイント上昇した。また、中国人の67.4%が両国の経済貿易額が「大きく増加する」「やや増加する」と答えており、昨年の36.7%から大幅に増えた。70.4%の中国人がアジアの課題における日本との協力を支持しており、昨年(58.3%)から12.1ポイント増えた。 

中国側は中日平和友好条約が両国関係の促進に貢献と認識。今年は「中日平和友好条約」締結40周年にあたる。調査では、中国人の6割以上が平和友好条約の主な内容と精神を引き続いて発展させるべきだと考えている。とくに「両国は平和共存五原則の上に、恒久的な平和友好関係を発展させる」(64.9%)と「すべての紛争を平和的手段により解決し、武力または武力による威嚇に訴えない」(64.2%)の2項目が重視されている。 

日本の軍事的脅威への中国側の憂慮強まり、依然として歴史問題が両国関係に影響。68.7%の中国人が「軍事的な脅威だと感じる国・地域がある」と考えており、昨年の59.1%から9.6ポイント増えた。その具体的な国・地域を挙げてもらうと、「日本」が最多で79.4%に上り、昨年(67.6%)から11.8ポイント上昇した。中国人が軍事的脅威を感じる主な理由として、「日本は米国と連携し軍事的に中国を包囲しているから」(70.1%)、「日本が長期にわたり釣魚島およびその周辺諸島を占有し、領土問題の存在を認めないから」(54%)を挙げている。このほか、依然として歴史問題が中日関係にマイナスの影響を与えている。ただし、この流れは減少の兆しを見せており、中国人の46.8%が「歴史問題はほとんど解決しておらず、中日関係にとって決定的に大きな問題である」と考えているものの、昨年(56.3%)からは9.5ポイント減少している。 

中国側の調査は今年827日~911日に行われた。調査対象は北京や上海など10都市の住民1548人。調査は中国外文局「当代中国・世界研究院」が主催し、中国の零点研究コンサルティンググループが調査を行った。

 

会場の様子(写真・于文)

 

人民中国インターネット版 2018年10月12日

 

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