省都の西寧から車で西へ約150㌔行くと、伝説の青海湖にたどり着く。青海湖のチベット語の呼称は「ツォ・ゴンポ」、蒙古語の呼称は「ココ・ノール」で、どちらも「青い湖」という意味だ。その青は、大海のコバルトブルーとも、他の内陸湖のエメラルドグリーンとも違う。初めて青海湖に来た人は、その穏やかで限りのないサファイアブルーにたいてい衝撃を受ける。目を向ければ、水天一碧、果てしなく広大な景色。数えきれない観光客がここで感慨に浸り、名残り惜しくて立ち去りがたい気持ちになった。
晴天時、青海湖の青い湖水の色の濃さが変化すると、我を忘れて見入ってしまう
面積4500平方㌔近くの青海湖は、中国最大の内陸湖であり、塩湖である。湖面の標高は3260㍍に達する。ある測量結果によると、中国東部の五大淡水湖(鄱陽湖、洞庭湖、太湖、洪沢湖、巣湖)の面積を足しても、青海湖の大きさには及ばないという。昔は馬に乗って湖を一周するのに十数日かかった。現在、車で一周するとしても、丸一日かかってしまう。
青海湖は美しいだけでなく、変化が多い。季節が変われば、全く違う景色が見られる。夏は、湖水がコバルトブルーになり、水と空が青一色に溶け合い、黄色い菜の花と青い山脈が延々とかなたまで連なり、たくさんのウシやヒツジ、力強く肥えた良馬が色とりどりのまだらの真珠のように草原に散らばる。一方、寒い冬が来れば、湖周辺の草原は雪に覆われる。11月、青海湖が凍り始めると、広く青く澄んだ湖面は氷結して玉製の床のようになり、一面の雪景色が現れる。そして巨大な宝鏡のように、太陽の下できらきらと輝き、一日中まばゆい光を放つのだ。
青海湖を1周する国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・チンハイレイク」はすでに16回開催され、
国内外に知られており、青海湖の新しい名刺の役割を果たしている(写真提供・青海省対外宣伝弁公室)