人類運命共同体としての上海協力機構

 

世界ガバナンス研究センター主任 龐中英=文

 

現在の当番議長国として、中国は6910日に山東省青島市で上海協力機構(SCO)拡大後に初めて開かれるサミットを挙行した。昨年、インドとパキスタンが正式にSCOに加盟し、メンバー拡大後のSCOは新たな発展段階に入った。SCOと「人類運命共同体」とをつなげる意味は重大である。SCOは「上海精神」を重んじ、その核心となる内容の一つが包容と開放である。新たなSCOは今まさに多国間協力を強化していて、中国もまたSCOのその他の加盟国との「人類運命共同体構築の推進を支持」しようと努力しているところである。

SCOと「人類運命共同体」との関係の上で、外界は不必要な誤解を避けるべきだ。まず、中国が提起する「人類運命共同体」の概念は、この概念をその他の加盟国に押し付けるものではなく、中国外交政策の指導思想に根本的な変化が生まれたことを意味するものでもないことである。

「人類運命共同体」は、中国がSCOをある種の現在の世界秩序と異なる世界秩序に変えようとすることを意味するものではない。現在の世界秩序に対する中国の態度は明確であり、それは、中国は今ある世界秩序の一部で、現在の世界秩序の擁護者であり、現在の世界秩序の改革者でもあるというものだ。この秩序は完全なものではないとしても、現在までのところ、人類の歴史上最も開放的で、包容力のあり、進歩した、自由な世界秩序である。

 

人民中国インターネット版 201869

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