シルクロード13ヶ国の貴重な文化財特別展が北京で開幕

 

「殊方共享——シルクロード国立博物館文化財精品展」でロシアの文化財を見る来場者

中国国家博物館と「一帯一路」(the Belt and Road)に参加する12ヶ国の博物館が共同で開催する特別展「殊方共享——シルクロード国立博物館文化財精品展」が411日に北京で開幕した。同展ではシルクロード上の文化交流を物語る文化財234点(セット)が展示されている。人民日報が伝えた。

中国後漢の歴史家で文学者でもある班固の作品に出てくる「殊方」という2文字は、「遠い異郷」という意味。中国国家博物館の王春法館長によると、「殊方共享」には、世界の人々と人類の文明の光を共有するという意味が込められているという。

特別展は、「一帯一路」沿線の文明間の芸術技術の融合相互参考を示すことで、シルクロードの精神を発揚し、人類運命共同体の構築が世界の今後の発展の方向性であることをPRするのが狙いだ。

特別展では「陸上シルクロード」と「海上シルクロード」のエリアに分けて、中国とカンボジア、日本、カザフスタン、ラトビア、モンゴル、オマーン、ポーランド、韓国、ルーマニア、ロシア、スロベニア、タジキスタンの13ヶ国の貴重な文化財が展示されている。各国が展示する文化財を見ると、各国の考古学史上で非常に重要な「国宝」もあれば、1000年の歴史を誇るシルクロードにおける貿易や文化交流を示している異国情緒溢れる文化財もある。

 

中国国家博物館が所蔵しているセイマトルビノ文化の典型的な器物である槍頭(上)と特別展で展示されているロシアの葉型の槍頭(画像は中国国家博物館の公式サイトから)

特別展の紹介を見ると、中国は史前時代にはすでにユーラシア大陸の西部と繋がっていた。ロシアのセイマトルビノ文化をルーツとする典型的な器物が中国の甘粛省や青海省、河南省などで発見されている。実際、特別展で展示されている中国国家博物館所蔵のセイマトルビノ文化の槍頭とロシアの葉型の槍頭を見てみると外観が非常に似ている。

 

ポーランド国立博物館が所蔵している中国風のイラン磁器プレートは、シルクロードの貿易交流文化の相互参考を生き生きと示している(画像は中国国家博物館の公式サイトから)

 

ラトビアで出土した唯一の中国の文化財である唐代のコップ(画像は中国国家博物館の公式サイトから)

西暦前2世紀後期、前漢の第7代皇帝武帝は、「シルクロード」の東側を効果的に統合した。その後、「シルクロード」の西側はローマ帝国によって統一された。歴史のある時期、「シルクロード」は、安全で効率の良い商業貿易、文化通路となり、東西の交流やコミュニケーションは現在に至るまでずっと続いている。ポーランド国立博物館が所蔵している中国風のイラン磁器プレートは、シルクロードの貿易交流文化の相互参考を生き生きと示している。ラトビアで出土した中国の唐の時代のコップについて、専門家は、シルクロードに沿って、中央アジアやブルガリア、スカンジナビアの旅商人を通して、ポーランドの海沿いまで運ばれたのではないかと推測している。

 

オマーン国立博物館が所蔵しているハドラマウト語雕刻飾板(画像は中国国家博物館の公式サイトから)

 「海上シルクロード」エリアにもたくさんの貴重な文化財が展示されている。1913年、フランスの著名な中国学者エドゥアールシャヴァンヌ氏は、初めて「海上シルクロード」という概念を提起した。沿線では主に、陶磁器や香料の貿易が行われていたため、この海上交通ラインは「海上陶磁器ロード」、「海上香料ロード」とも呼ばれている。オマーン国立博物館が所蔵している「ハドラマウト語雕刻飾板」は、ハドラマウト王国が、乳香の盛んな貿易により、輝かしい文化を築いたことを記している。

 

韓国国立中央博物館が所蔵している唐三彩三足罐(画像は中国国家博物館の公式サイトから)

韓国国立中央博物館の展示品の紹介には、「今の時代に生活している私たちにとっても、シルクロードの歴史は非常に深い意義がある。巨大なネットワークがカバーしている各地域は交流、協力を通して、共に繁栄することで互いの間にある溝を埋め、平和に共存することができる。シルクロードの東側に位置する韓国や中国、日本にとって、シルクロードは、三国が互いの文化、伝統の核心となっている概念を理解する助けとなる」と記されている。

特別展は、2019714日まで開催される。中国国家博物館の王春法館長によると、中国の習近平主席の提案に基づき、同博物館は201811月に第1回シルクロード国際博物館聯盟大会を開催。「シルクロード国際博物館聯盟展覧会協力枠組み協議」に調印した。今回の特別展は、その協議に基づいて開催されている。

 

「人民網日本語版」2019416

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