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半世紀を超える『人民中国』の愛読者として

神宮寺 敬(甲府市在住、共同電設社長、89歳)

1966年4月、人民中国雑誌社は、日本で読者拡大につとめた人10名を中国に招待してくれた。全国から選ばれた10人は、長谷川敏氏を団長に訪中団を結成した。当時、国交のない中国に入国するには、羽田から日航機で香港を回り、北京まで3日かかった。

1966年、『人民中国』の読者拡大につとめた活動家の代表団が中国外文局を訪問した。2列目右から6人目が筆者(写真はいずれも筆者提供)

北京空港では、人民中国雑誌社の社員やその子ども達まで出迎え、旗を振り、熱烈歓迎してくれた。その光景は今でも忘れられない。ホテルは民族飯店だった。

 自宅の本棚には、多くの『人民中国』のバックナンバーが収蔵されている。その前に立つ筆者

翌日から二週間、日本流に言えば「缶詰会議」で、『人民中国』編集部と代表団による『人民中国』についての勉強と討論が続いた。長い間の愛読者である団員たちからは「文章が固い」「愛国的な立派な物語が多すぎる」「革命的など理解できない言葉がある」などなど、きびしい意見が続いた。

翌日、『人民中国』側は一年分の発行済みの『人民中国』を持ってきて、「昨日の批判はありがたかった。具体的に何月号のどこに書いてあったか教えてほしい」と言う。訪中団はその熱心さに驚き、一日の猶予をもらい回答した。互いに真剣な討論をし、成果のあった会議であった。

北京で期待していた周恩来総理との面会は残念ながらできなかったが、それから40日間、瀋陽、延安、西安など中国の有名都市を案内された。心のこもった接待だった。

各地の見学と話し合いの中で、中国は誇りを持ち、いずれ世界の大国になるという自信をもっていること、そして日本と友好を願っていることを知った。

この旅行で私は、「日中友好」を生涯の仕事として、家族とともに歩もうと心に決めた。

毎年10月、中国を訪ねる私たち夫婦は、必ず人民中国雑誌社を訪ねる。昨年訪ねたとき、王衆一総編集長は「私たちへの最大のおみやげは、『人民中国』の愛読者を増やしてくれることです」と言った。この言葉は私の胸を打った。

今や『人民中国』はどこに出しても負けない立派な雑誌になった。しかし雑誌は、人に読まれてこそ価値が生まれる。一人でも多く読者を増やし、大きなおみやげにしたいと思っている。

 

人民中国インターネット版 2009年8月31日

 

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