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口承及び無形遺産「百劇の元祖」昆劇の魅力

 

昆劇は、昆山腔、昆曲などとも呼ばれ、もっとも古い中国伝統劇の一つであり、

典型的な中国伝統芸術の代表でもある。

独自の魅力を備えた芸術のスタイルで、人々に広く愛されている。

「四方の歌は必ず呉門を祖とす」

昆曲『酔打山門』の魯智深 昆曲『牡丹亭』の杜麗娘(右・深窓の令嬢役)と小間使の春香(左・少女役)

昆曲と呼ばれるのは、江蘇省昆山一帯で誕生したことに由来する。昆山腔は、600年ほど前の元朝末期から明朝初期に生まれていたもので、当時の海塩腔や余姚腔、弋陽腔とともに、「明朝の4大声腔」と呼ばれる。明朝の万暦年間(1573~1620年)、昆曲の影響力は呉中(蘇州一帯)から江蘇省、浙江省の各地に及んだ。万暦末期に、「四方の歌は必ず呉門を祖とす」という現象が起こり、昆曲は明朝、清朝以来、戯曲の中でもっとも影響力を持つ声腔(歌の節回し)となった。

初めのころの昆山腔は、特別な衣装や動きなどを伴うこともなく、歌だけの節回しであったが、明朝の有名な劇作家の魏良輔(1489~1566年)、梁辰魚(1521頃~1594年頃)らがそれを加工、整理し、さらに創作を加え、昆山腔の普及と発展を促した。音楽、演出、演目の創作などの面でしだいに完璧な芸術体系を形成し、豊かな遺産を蓄積してきた。また、昆曲は川劇(四川省の地方劇)や婺劇(浙江省の地方劇)、祁劇(湖南省の地方劇)、滇劇(雲南省の地方劇)など数多くの戯曲の形成や発展に重要な影響を与えたため、「百劇の元祖」と尊ばれている。

 

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