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文化体制改革へ新戦略 繁栄と発展を目指して

 

于文=文

中国共産党第17期中央委員会第6回全体会議が、10月15日から18日まで北京で開催された。同会議では、『中共中央の文化体制改革の深化による社会主義文化大発展、大繁栄に関する若干の重大問題の決定』が審議され、文化体制の改革の深化、社会主義文化の大発展、大繁栄の推進に対し、大きな布石が打たれた。中央委員会全体会議で「文化の命題」が論じられるのは、2007年に開かれた「十七大」(中国共産党第17回全国代表大会)以来、初であり、文化建設の国家戦略局面における意義は、さらに明らかになっている。

2011年10月、中国共産党第17期中央委員会第6回全体会議が北京で開催された。議長席に着席する胡錦濤総書記(中央)はじめの中央政治局常務委員会の委員たち(新華社)

改革開放後、特に2002年に開かれた「十六大」(中国共産党第16回全国代表大会)以来、文化体制改革の絶え間ない深化により、中国の文化産業は、まったく新しい発展期に入っている。「第11次5カ年規画」(2006~2010年、以下「十一・五」と略す)期間、文化産業は年平均16~18%の成長率を保ち、同期の国内総生産(GDP)成長率を大幅に超えている。今年、公布された「第12次5カ年規画」(2011~2015年、以下「十二・五」と略す)では、「文化産業を推進し、国民経済の支柱産業とする」と明示されており、文化部の立案した『十二・五の文化産業倍増計画』によれば、今後5年に文化産業の増加値は、2010年比の倍となる。中国における文化産業は、未曾有の発展のチャンスを迎えている。

中国の文化産業改革は今後、いかに進行するのか? まずは、この10年来の、中国の文化産業の発展の道を振り返ってみたい。

伝統の書籍からデジタル閲読へ

文化といえば、人はまず書籍を思い浮かべる。だが安徽時代出版メディア株式会社では、編集者が校正、レイアウト、印刷に駆け回ることはなく、原稿は、デジタル製品となる。編集者は、映画監督のようであり、文字の編集のほか、本を「聞ける」ものや「動く」ものに仕上げる。その後、製品は、同社が開発、運営する出版プラットホームを通し、読者は携帯電話や多機能携帯端末を使ってそれを見る。

同社は、伝統的な紙媒体、流通経路から完全なデジタル出版、流通に移行し、新しく手がける電子書籍では、読者とインタラクティブに交流し、こうした飛躍的発展を通し、まったく新しいマーケットに参入している。2008年、同社は、全国に先駆け出版業務部門を上場し、「資本市場における文化産業のブレイクスルー」と称されている。

2009年、北京国際ブックフェアに出展する安徽時代出版メディア株式会社の展示ブース(CFP)

2011年8月、瀋陽アニメエキスポに殺到した若者たち(新華社)

多くの出版社と同じく、かつて同社の会長、王亜非氏は、出版業の前途に対し、悲観的だった。インターネットなど新メディアの普及につれ、読者はネット上での情報検索に慣れ、書籍を敬遠し、少なくない出版社が教材に頼って経営を維持している。王氏は、出版の未来はどこにあるのか、模索を続けていたという。

飛行機でも、電車でも、多くの人はパソコン画面を見つめており、その大部分は、ゲーム、デザイン案、財務報告、情報検索、それにインターネットテレビや大作映画である。それも一種の「閲読」だと考えることもできる、と王氏はいう。王氏は、デジタル出版は、「読書」の業態を別の表現形式に変え、「デジタル閲読」の領域に融合させるべき、とひらめき、3G読書の発展に取り組んだ。現在、王氏は、教育の領域に適したデジタル化製品を研究開発しており、中には例えば、中国古代の漢詩がある。読者は、漢詩の内容を鑑賞すると同時に、作者の概況、地方の人文的、歴史的背景を知り、これらの書を模写することもできる。

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