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ソフトパワーで世界に貢献

 

文化部(日本の省に相当)が福建省南安市蓉中村に国家芸術団と農村などの末端部を結ぶ初の「連携基地」を設立。これを記念して、中国東方演芸集団の芸術家たちが同地を訪れ、農民たちに「精神的なごちそう」をプレゼントした(新華社)

10月に開かれた第17期中国共産党中央委員会第6回全体会議で、『中共中央の文化体制改革の深化による社会主義文化大発展、大繁栄の推進に関する若干の重大問題の決定』(以下、『決定』と略す)が審議可決された。『決定』は「高い文化的自覚と文化的自信を育成し、全民族の文化的素質を高め、国の文化的ソフトパワーを強化し、中国文化を発揚し、社会主義文化強国を建設するために努力しなければならない」という戦略目標を提起した。「文化」を主要議題として全体会議で討論するのは2007年の党大会以来はじめてだ。これは中国の社会経済が30年余の改革開放を経過して新たな発展階段に入ったことを示している。

昨年、中国国民の一人当たり国内総生産(GDP)が4,000ドルを超え、これに合わせて、都市部、農村部の人々の精神文明に対する消費意欲も目に見えて増進されてきた。しかし、文化建設が追いつかず、人々の需要を満足できないのが現状だ。『決定』で「文化強国」の目標を提起したのは、人々が物質的に豊かな生活を送り、その上、充実した健全な文化生活を享受できるようにするためだ。

また、中国の経済建設は卓越した成果を収めたが、同時に、発展モデルは重要な転換期を迎えた。文化産業にある低コスト、高利益という特長は、社会主義文化の大発展と大繁栄を推進し、文化産業を新たな経済成長ポイントとする上で、また経済成長モデル全体の転換を促進、加速する上で有利だろう。

このように、中国は文化産業を発展させる優れた条件に恵まれている。目下、中国の経済情勢は好調で、文化市場での需要は旺盛だ。特に、文化政策が緩和された後、社会資本が文化産業に勢い良く投入され始めた。2010年、全国の文化産業総生産の増加分は1兆元を超え、GDPの3%近くを占めた。また一部の省・直轄市では、増加分が同地域のGDPの5%を超え、主要な産業の一つに数えられるようになっている。

われわれは次ような認識を持つべきだろう。中華文化の発揚、社会主義文化強国の建設は、決して自国にとってだけ有意義だというような狭隘な文化の発展ではなく、「世界に向かって、未来に向かって」、中国文化の発展を世界文明の発展の軌道にいっそう溶け込ませることだ。

現在の中国が建設中の文化は、中国の特色ある社会主義の文化というだけではなく、人類文化の重要な構成部分でもある。社会主義文化強国の建設とは、中国の特色に立脚した上に、世界各国の人々の優秀な文化的成果を吸収し、人類史の発展の最前線に立ち、普遍的、世界的な意義を備え、吸引力、影響力、感化力を有する新文化を創造するということだ。事実に基づいて真実を求めるという「実事求是」の精神で、世界に向けて、現代化発展の道をひとつの参考として示し、中国は人類社会の持続可能な発展の実現に対してさらに大きく貢献するだろう。

 

人民中国インターネット版 2012年1月30日

 

 

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