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隋・煬帝の墓と歴史の謎(上)

 

2号墓は合葬された蕭皇后  

2号墓は1号墓の南東側にあり、腰鼓(腰につけてバチで打つ小さな太鼓)の形をした磚室墓だ。主墓室、東西二つの耳室、甬道と墓道で構成されている。全長12・64メートル、幅は5・90メートル、高さが1・60メートルとなっている。

2号墓から出土した双人首蛇身俑。珍奇かつ優美な形を持ち、隋・唐時代に長江以南の地区で流行した副葬品
2号墓からは玉器や銅器、鉄器、陶磁器、漆器など200点余りが出土した。玉器の一つ白玉璋は、きめが細かく、光沢と潤いがある。銅器には編鐘や編磬、銅灯、銅豆(料理を盛り付ける器)などがある。セットになっている編鐘は16点、編磬は20点と、中国国内で初めて出土した隋唐時代の編鐘、編磬の実物であり、中国音楽考古史の空白を埋める貴重なものだ。そのほか、出土品の中には女性の冠飾もあるが、これは非常に精巧に作られた中国国内でもごく珍しい文化財だ。

2号墓では、人間の遺体も発見された。南京大学の体質人類学専門家の鑑定によって、年齢56歳以上、身長約1メートル50センチの女性のものであることが明らかになった。

これにより、2号墓には文字情報はないものの、墓の構造、価値の高い副葬品、遺体の鑑定結果に史料の記載を加えて、専門家はこの墓が煬帝の蕭皇后のものだと判断を下した。煬帝と蕭皇后の合葬墓から出土した多数の価値の高い副葬品は、隋・唐時代の歴史、政治、経済、文化を研究する上で極めて貴重な資料となるものだ。

 

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