大報恩寺遺跡出土の宋代シルク、南京で初の「里帰り」展

2018-08-15 11:08:19

 

【新華社南京8月15日】中国江蘇省南京市にある長干寺(大報恩寺の宋代の呼称)地宮で、千年もの間封印されていた58点の宋代(960~1279年)の絹織物の文化財が、10年近い保護修復を経て、先週から南京で初公開されている。

大報恩寺はかつて南京で最も悠久の歴史を誇っていた仏教寺院で、その前身は三国時代東呉期(222~280年)の建初寺までさかのぼる。千年余りの間に廃寺と再建を繰り返し、寺の名称も幾度も変わった。

歴史上の大報恩寺ははるか昔に戦火で消失したが、2007年2月から南京市博物館が国家文物局の許可を経て、大報恩寺遺跡の発掘調査を開始した。地下宮殿からは豊富な各種の供養に使う道具類が出土した。中には金、銀、銅、水晶、ガラス、メノウ、絹、香料などさまざまな材質の文化財が含まれていた。

これら北宋真宗皇帝の大中祥符34年(1010~1011年)の文化財は、675メートルの地下深く、しっかりと密封された鉄製の箱の中に千年間安置され、完璧に保存されてきた。中の絹織物は、当時の江南道昇州(現在の南京市)を中心とする善男善女たちが長干寺舎利塔建設のために寄贈したもの。

出土後、貴重な絹織物文化財がこれ以上傷まないよう、浙江省杭州市の中国シルク博物館は2009年以降、南京市博物館の委託を受けて、地下宮殿から出土した絹織物文化財の保護修復と研究を行ってきた。10年近い修復作業を経て、これら宋代絹織物の輝きが再びよみがえった。

シルク展を一般の人々により分かりやすく解説し、知名度と影響力を高めるため、大報恩寺遺跡博物館は南京市博物館総館と共同で関連講座を開催し、人々に宋代シルクの知識を解説するという。

 

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